静岡鉄道静岡清水線

 先日、静岡へ行った際に清水から静岡まで静岡鉄道の電車に乗った。乗らなくてもいいのだが、わざわざ330円の切符を買って、乗ってみた。

(JR清水駅前のペデストリアンデッキから見た富士山)

(清水港)

 静岡鉄道はかつては県内に多くの路線を持っていたが、現在は静岡と清水の間を結ぶ静岡清水線のみが残っている。

 両端はJRの静岡、清水の両駅とは離れていて、それぞれ新静岡、新清水と称している。そして、東海道線では静岡~清水間に東静岡、草薙の2駅があるのに対して、新静岡~新清水間には途中に13の駅があり、よりローカルな交通機関としての役目を持っているようだ。

 路線図を見ると、急行や通勤急行もあると書いてあるが、あとで調べてみると、コロナ禍による乗客の減少により急行・通勤急行はすべて運休となり、その後、ダイヤから削除されてしまったとのこと。つまり、現在は各駅停車のみの運転である。

 さて、JRの清水駅から少し離れた新清水駅まで歩いて、そこから乗車。ちなみに清水はかつては独立した市だったが、今は静岡市清水区となっている。

 どんな電車が走っているのかと思っていたら、やってきたのは東京でも流行のスタイルの最新型で、A3000形という電車。2016年にデビューしたそうだ。

 都会の電車と変わりがないように見えるが、2両編成のワンマン運転である。

 側面にはちびまる子ちゃん

 線路は複線で、全線で11キロの路線に途中13駅あるので、駅間距離は短く、走り出したら、すぐ次の駅に着く感じ。すれ違う列車も多くて、8分前後の間隔で走っているようだ。全線の所要時間は21分。

 線路は最初、東海道線の海側を走り、一部区間では完全に並走する場所もある。そして、東海道線と新幹線を跨いで、山側に移り、小さな駅にこまめに停車しながら行く。

 途中、春日町という駅で降りてみた。

 父が戦時中、東京から静岡市内の祖母(僕にとっては曾祖母)の家に疎開していたのだが、そこで空襲に遭った(当時、小学6年生)。米軍機の機銃掃射の恐ろしさについて何度も聞かされたが、空襲で父の住んでいた地区は焼けずに済み、道を挟んで焼け野原となった地区とあまりに対照的な光景だったという。戦災ですべてを失った人たちが何も焼けずに済んだ人たちに向ける視線について「人間のあんなに恐ろしい目は見たことがない」と語っていたのを思い出す。

 すぐに次の電車がやってきて、それに乗れば、新静岡までは3駅。

 A3000形は編成ごとに色分けされていて、いろいろな色の電車が走っている。

新静岡駅

 ローカル私鉄ではあるが、小湊鉄道などとは全く雰囲気の異なる、30分ほどの小さな旅だった。

(おまけ)日本平動物園ホッキョクグマ

(きょうの1曲)MACHINE AND THE SYNERGETIC NUTS / Normal


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