さる・サル・猿

 今日の東京は日中は曇りの予報だったが、朝から弱い雨が降ったり止んだり。時々、薄日が差したりもしたが、暖かだった昨日から一転して寒い一日。都心の最高気温は17.2℃だったが、これは日付が変わってすぐに出た数字で、この後、気温はどんどん下がり、昼過ぎに出た最低気温は11.9℃。冬のような寒さだった。

 

 先日の藤沢から茅ヶ崎にかけての石仏ウォッチングで、庚申塔の猿をたくさん見た。

 庚申信仰は中国の道教の影響を受けたといい、人間の体内には「三尸(さんし)」と呼ぶ三匹の虫が頭と腹と足にいて、これが60日ごとに巡ってくる庚申(かのえさる)の日の晩、眠っている隙に体内から抜け出して、天に昇り、その人の悪行を天帝に報告する。天帝はその罪の重さに応じてその者の寿命を縮めると考えられ、人々は庚申の日の夜に三尸の虫が抜け出さないように、みんなで集まり、飲食を共にしたり談笑したりして眠らずに過ごしたという。これを庚申待ちという。最初は貴族社会に伝わり、室町時代に民衆にも広まり、江戸時代に庚申講が盛んになった。庚申待ちを3年で18回繰り返すと、これを記念して村の辻などに供養塔を立てた。これが庚申塔で、庚申(かのえさる)から猿を神の使いとする山王信仰と習合して、「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿を彫ったり、猿田彦神への信仰と結びついたりもした。一般的には青面金剛を本尊としているが、古い庚申塔には猿だけを彫刻したものも見られる。

 ということで、庚申塔の猿に注目してみた。

 藤沢市・持瀬日枝神社の三猿。

 折戸日枝神社の三猿×3。

 茅ヶ崎市本村八王子神社の三猿×3。

 茅ヶ崎市円蔵・山王社の猿。

 子ザルを抱いている。

 茅ヶ崎市輪光寺の庚申塔

 輪光寺の日本最古とされる三猿。

 こうして並べてみると、三猿は「聞かざる」がセンターだということが分かる。

 輪光寺・山王塚の猿。

(きょうの1曲)VAN DER GRAAF GENERATOR / Wondering


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