飯田橋や神楽坂に近い高台に鎮座する筑土八幡神社は平安時代の嵯峨天皇の御代に信仰心が篤い地元の老人の夢に現れた八幡神のお告げにより神を祀ったのが起源と伝わる古社。
その境内に一風変わった庚申塔がある。多く見られる庚申塔が青面金剛を主尊として刻み、その下に三猿というパターンが多い中、ここの庚申塔は大きな舟形の石塔に太陽と月、桃の木、そして二匹の猿を浮き彫りにしたもの。猿は桃の枝を手にした姿で、しかも、雄雌が分かるように彫られている。年代もかなり古くて、寛文四(1664)年の造立。
雄猿。
残念ながら雌猿の顔は欠損している。
このような庚申塔は初めて見た。大変珍しいので、新宿区の有形民俗文化財に指定されている。
(きょうの1曲)ACOUSTIC ASTURIAS / WATARIDORI