高尾山と日影林道(2)

 昨日、高尾山に登ってきた話の続き。昼前に山頂に着き、裏高尾の小仏城山まで歩く。キビタキや、ホトトギスクロツグミ、ヒガラ、アオバトなどの声が聞こえる。

 高尾山といえば、の旅する蝶、アサギマダラがいた。先ほど歩いた登山道沿いではアサギマダラの幼虫の食草、キジョランをずいぶん見た。


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 杉林の中でキビタキのさえずり。声が近いので探したら、いた。杉の梢でコジュケイの声真似を交えてさえずっている。


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 ニホントカゲの幼体。

 こんなピンクの甲虫もいた。たぶん初めて見ると思うが、あとで調べてみたら、フンコロガシの仲間でオオセンチコガネというようだ。

 標高670メートルの小仏城山に着き、ここでおにぎり休憩。ここには二軒の茶屋が背中合わせにあって、春美茶屋は東京都、城山茶屋は神奈川県である。

 ここではなめこ汁が名物で、春美茶屋は味噌仕立て、城山茶屋は醤油仕立て。過去二回、城山茶屋だったので、今日は春美茶屋のなめこ汁にする。大きななめこのほか、豆腐と油揚げが入っている。

 けっこう暑いので、かき氷も追加したくなったが、それはやめて、ここからは下る。これまではさらに尾根伝いに進んで小仏峠や景信山まで歩いたが、今日はここから日影林道を下ってみよう。茶屋の人が麓から軽トラックで上ってくる道で、登山道より勾配は緩い反面、距離は長い。結果的にはこの道を選んだのが大当たりだった。

 下り始めて、まもなくクロツグミが出てきた。

 野生では初めて見た。地上で餌を探すところはツグミと同じだが、クロツグミ夏鳥だ。

 何か餌を捕まえた。

 後ろからガヤガヤとグループがやってきたので、逃げられてしまった。

 それにしても、なかなか見晴らしがよく、気持ちのいい道だ。

 ノイバラやスイカズラなど、いろいろな花が咲いているが、名前がよく分からないものも多い。高尾山の植物に関する本というのはいくつも出ているので、今度勉強してみようと思う。

 スイカズラはその園芸品種のハニーサックルを家で育て始めてから、野山でも目に留まるようになった。

 どんどん下って行くと、今度はなんとノウサギが出てきた。

 ノウサギはこのあたりでは珍しい動物ではないかもしれないが、明け方と日暮れ時に活動し、日中は茂みの中でじっとしていることが多いので、こうして昼間に遭遇することはあまりないはず。

 いつまでも逃げないので、通れない。やむをえず近づいていくと、草むらに逃げ込んだが、すぐ下の道にまた出てきた。


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 しばらく見ていたら、あとから女の人が下ってきて、彼女もすぐに気づき、スマホを取り出したところで、ウサギは走って逃げてしまった。

 さらに下る。途中から沢沿いの道になる。日影沢。あちこちから沢水が合流するたびに水量が増し、激流になっていく。道も舗装路ではなくなり、路上にも水が流れるようになった。

 ハンゲショウのように葉っぱの一部が白くなっているのはマタタビ

 麓が近づくとキャンプ場もあって、人が増えてきた。渓流釣りをしている人の姿もちらほら。

 そして、一般道に出る。林道の入口に「日影沢林道」と書かれた標識があり、「沢」の文字が消してあった。

 木に絡みついて生長し、たくさんの花を咲かせているテイカカズラ

 林道を抜けて出合うのは旧甲州街道小仏峠へ続く道で、過去にも歩いた。高尾駅までバスがあり、日影バス停にもたくさんの人が並んでいたが、僕はバスには乗らずに歩く。この道の雰囲気はけっこう好きなのだ。

 味わい深い道で、沿道の家々の植栽を眺めながら歩くのが楽しい。今ならアジサイ、ホタルブクロ、マツバギクなどがあちこちで咲いていた。

 50分ほど歩いて、高尾駅にゴール。

 自宅から自宅で31,481歩。