三上延『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆』

 古書には人の手から別の人の手へと渡っていく中で、一冊一冊がそれぞれの物語を帯びていく。 
 北鎌倉にひっそりとある古書店の美人店主・篠川栞子が古書に秘められた謎を鮮やかに解き明かしていく人気シリーズの第3作。今回は栞子さんと生き別れの母親の存在が物語の随所に影のように現れ、作品の奥行きがより深まったような印象。
 本が好き、読書が好き、という人なら誰でも楽しめる作品だと思う。もちろん、初めての人は第1作からどうぞ。
 「あとがき」で予告された第4作も楽しみ。