日本シリーズ第1戦

 25年ぶりにセ・リーグを制した広島東洋カープが32年ぶりの日本一に輝くのか。はたまたパ・リーグで11.5ゲーム差をひっくり返して大逆転優勝を遂げた北海道日本ハムファイターズが10年ぶりに日本一に返り咲くのか。他球団から大物選手をカネの力で掻き集めるのではなく、若い選手を自前で育ててチームを作るその育成力に定評のあるチーム同士の対戦となった今年のプロ野球日本シリーズ。注目の第1戦が雨の降る中、広島マツダスタジアムで開幕した。
 先発はカープが今年15勝のジョンソン。ファイターズが二刀流エース大谷。ともにチームが絶大な信頼を寄せる投手同士の投げ合いとなった。
 先制したのはカープ。2回裏、1死1・3塁のチャンスをつかむと、打者・石原が三振の間に1塁走者・安倍が2塁へ走る。捕手・大野の2塁送球を大谷がカットして3塁走者の生還を防ぐべきだったが、大谷がマウンドにしゃがみこんで送球をスルーしてしまう。遊撃手・中島が2塁ベース手前で慌てて送球を捕ってバックホームするも、その前に3塁走者・鈴木がホームイン。結果的に重盗で先制点が入った。さすがの大谷も初めての日本シリーズで冷静さを欠いていたか大きなミスだった。
 さらに4回裏、4番・松山、6番・エルドレッドに相次いでホームランが出て、カープが2点追加。雨の影響もあったかもしれないが、大谷が1イニングに2発も打たれるというのは滅多にないことだ。とにかく、これで3−0。
 対するファイターズはジョンソンからチャンスは作るものの、あと1本が出ず、7回にようやく本塁打王レアードのソロが出たものの、その裏に2点を追加され、結局、5−1でカープが勝利。
 球場全体が燃えるような真っ赤に染まった完全アウェイの雰囲気の中、エース大谷を立てての敗戦。ファイターズらしさを出せずに終わった第1戦だった。

  勝利投手 ジョンソン1勝   敗戦投手 大谷1敗
  本塁打  松山1号  エルドレッド1号  レアード1号