上野動物園のツキノワグマは現在、メス2頭が飼育されているが、そのうちの「クー」がこの冬も冬眠室にこもっている。
野生のクマは餌の少ない冬の間、エネルギー消費を極端に抑制するため、冬眠して過ごすわけだが、冬でも餌が十分にもらえる動物園では冬眠の必要はない。どこの動物園でも冬も活動するクマを見ることができるが、上野ではあえて冬眠用ブースを作り、クマを冬眠させている。
冬眠ブース。この中でクマが眠っている。
秋に十分に餌を食べて脂肪をたくわえ、冬眠中は何も食べず、水も飲まず、排泄もしないで春まで過ごす。呼吸数や心拍数、体の代謝は低下するが、体温は平常の37℃から3〜4℃しか下がらないそうだ。
冬眠ブースの内部を直接覗くことはできないが、モニター画面を通じて様子を観察できる。
左側が頭。
ずっと熟睡しているわけではなく、観察していると、案外動く。何しろ、メスは冬眠中に出産・子育てをするのだ。
もうすぐ3月。クーもそろそろ冬眠から覚めてもおかしくない。
こちらは寒いのが大好きなホッキョクグマ。
ただ、ホッキョクグマもメスは冬ごもりをして、その間に出産する。さて、今年は「イコロ」と「デア」のカップルに待望の赤ちゃん誕生となるかどうか。