東京で3月としては観測史上1位となる28.1℃を記録し、初夏の陽気となった3月31日、高尾山に登ってきた(高尾山がある八王子市では28.2℃)。
桜が咲き始めたケーブルカーの清滝駅前。
まずは琵琶滝まで6号路を歩く。古くから修験の山であった高尾山の水行道場、琵琶滝。
ここで6号路から離れて、尾根上まで一気に登る。
タチツボスミレ。
急斜面を登りきれば、そこはケーブルカーの駅がある高尾山観光の中心地である。
つい天狗焼きを買ってしまう。カリカリの皮ととろっとした黒豆餡が絶妙で、高尾山に来ると食べたくなる。
聖と俗が混在する1号路を歩く。
ヤドリギ。
「霊氣満山」の額がかかる浄心門の手前で左に逸れて3号路へ入る。
高尾山南斜面の暖帯林の中を等高線に沿うように続く道で、比較的人が少ない。
モミの木の赤ちゃん。
アサギマダラの食草となるキジョラン。
ネコノメソウの仲間。
カントウミヤマカタバミ。
スミレもたくさん咲いている。いろいろな種類があって、見分けられない。
岩の裂け目から水が流れ出ている場所があり、そこで穴の奥から不思議な声が聞こえてくる。タゴガエルの声だ。すぐ近くで聞こえるのに、姿は見えない。
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この声は過去にも檜原村などで聞いたことがあるが、姿は一度も見たことがない。アカガエルの仲間らしい。岩の中から聞こえる声を聞いて、なかに子犬が閉じ込められていると勘違いした人がいたとか。
ウグイスやシジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、メジロ、エナガなどの声が聞こえる道。
これはミミガタテンナンショウかな? 漢字だと耳形天南星。
ヤマルリソウ。
やがて、斜面下の沢からミソサザイの声が聞こえてきた。今シーズンの初ミソだ。
ウグイスやコゲラは姿も確認できたし、モミの木の上を飛び回っているのは声から判断してキクイタダキのようだった。
ずっとスミレの花を見ながら歩く。
これはエイザンスミレ。切れ込みのある葉っぱが特徴。
シュンラン。
キブシ。
小さな花のひとつひとつに目を向けながら、ゆっくり歩いて、正午過ぎに高尾山頂に到着。いつもながらの賑わいである。桜が満開になる頃にはさらなる人出で大混雑になることだろう。
山頂からの眺望は黄砂のせいか、かなり霞んでいて、富士山も辛うじて見えるだけだった。
山頂ではちょっと写真を撮っただけで、すぐに奥高尾へと長い石段を下る。山頂のビジターセンターでスミレなどの名前を調べられたら、と考えながら登ってきたのだが、すっかり失念していて、石段を下って、しばらくしてから思い出した。引き返す気にはならないので、そのまま進むしかない。