旧甲州街道・春景色

 3月31日に高尾山に登った話の続き。高尾山から小仏城山、日影林道を通って裏高尾へ下ってきた。

 最寄りの日影バス停には十数人のハイカーがバスを待っていたが、僕は素通りする。

バスに乗るよりは旧街道の面影を残す道をのんびり歩く方が断然楽しい。高尾駅までは3キロ余りか。

 少し前方にやはりバス停を素通りしたリュックを背負った年配の男性がいる。あの人も高尾駅まで歩くのだろうか。

 道路沿いの家々の植栽を眺めながら歩くのも楽しみのひとつ。

 雪柳。

 このあたりは都心部より桜が咲き進んで、満開に近い木もある。

 この道を歩くたびに気になる謎の彫刻。

 つくし。つくしを最後に食べたのはいつのことだろう。小学生の時以来、食べていない気がする。

 交尾中のテングチョウ。

 

 高尾山への玄関口といえば、今は京王線高尾山口駅であるが、鉄道開通以前は甲州街道から水行道場の蛇滝経由のルートが高尾山へのメインルートで、その登山口を過ぎると、古い建築が残っている。

 傍らには上行講の文字が刻まれた石碑があり、「是より蛇瀧まで八丁」とある。

 この木造の建物は明治三十六(1903)年の建築だそうで、江戸時代から「ふぢや新兵衛」の屋号をもつ旅籠、茶屋であったという。高尾山の蛇滝や薬王院への参詣者が宿泊や休憩に利用したようだ。

 軒下には各地の講中の参詣札が残され、往時の賑わいを伝えている。

 前方を行く人も結局、高尾駅まで歩いたようだ。

 高尾駅前に到着。


 4月5日、雨上がりの朝。鉢植えのヤマザクラカロライナジャスミンが咲きだした。

 ヤマザクラはいつもはソメイヨシノとほぼ同じタイミングで咲き出すのだが、今年はだいぶ遅れた。

 カロライナジャスミンは昨年、苗を植えつけたもの。