- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: 文庫
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同じ作者の『ぼくと、ぼくらの夏』を思わせる作品だが、あちらは武蔵野を舞台にしていたのに対して、こちらは下町。主人公の高校生は生粋の「江戸人」の末裔で、趣味は盆栽という渋い少年。ただ、愛車を「自転車」と書いて「ビアンキ」と読ませるところが同じビアンキ(イタリアの老舗自転車ブランド)乗りとしては、おっと思ったりする。
ま、それはさておき、本というのは読み終わったら、さっさと手放してしまう本と、ずっと手元に置いておきたい本の2種類があるが、これはとりあえず後者かな。
「爽やかで可笑しくて、ちょっと切ない青春ミステリー」とあるが、それ以上のものがある。意外な結末に驚かされるし、ラストもいい。よく出来た作品だと思う。
明太子入りのチーズモンジャが食べたくなった。
作中に出てくる北海道のヒマワリ畑はこんな感じかな。