このブログで類人猿といえばオランウータンとゴリラはたびたび登場するが、チンパンジーはほとんど出てこないので、たまには取り上げてみよう。
東京の動物園でチンパンジーを飼育しているのは多摩動物公園だけだが、ここのチンパンジーはけっこうスゴイ。
放飼場の片隅にジュースの自動販売機があり、チンパンジーが買い物をするのだ。
毎日13時半に担当者がコインを渡すと、それをもらったチンパンジーが自動販売機にコインを投入し、ボタンを押せば、缶ジュース(中身はすべて野菜ジュース)が転がり出てくる仕組み。
(口にコインを咥えている)
大勢いるチンパンジーの全員が買い方を知っているわけではなく、またジュースは毎日5本ずつしか出てこない。そこで、チンパンジー同士のいろいろな駆け引きがあったりしてとても面白い。ほかの猿に奪われないように、販売機のそばに誰もいない瞬間を見計らって、ささっと駆け寄って急いで買う、とか。
(1頭がコインを投入して、ジュースを購入)
また、販売機自体もすでに古いので、たまにボタンを押しても出てこない時があったりして、そんな時に何度もボタンをガチャガチャ押したり、缶の取り出し口をのぞき込んだり、なんていう仕草も人間と同じで、面白い。
(購入成功。簡単に開けて、みんなに羨ましがられながら飲む)
さて、飲み終わった空き缶は空き缶回収機に入れると、またコインが出てくる仕組み。なので、運が良ければ、ひとりで複数のジュースを買えることもある。僕は5本のうち3本を1頭がゲットしたのを見たこともある。
(うめぇ〜!)
買い方を知らないチンパンジーが可哀そうなので、同時に野菜や果物、サトウキビなども放飼場に投げ込まれる。
この時も自分のほうに投げてほしくて、すごいアピール合戦が繰り広げられる。
(おーい、僕にもくれ〜!)
(お〜い!!)
(これ、うまいっすね)