フキノトウとミツバチ

 3月11日。東日本大震災発生から3年。地震が起きたのは3年前の出来事だが、震災は現在進行形だ。まだ過去形では語れないから、何を書くのも気が重い。
 ということで、けさになって今年は出ていないな、と思っていたフキノトウを発見。落ち葉の陰にあったのだが、なんで今まで気がつかなかったのだろう。もう手遅れなぐらい開いている。

 ほぼ満開の豊後梅のまわりをブンブンブンとハチが飛び回る。明日は暖かくなるらしい。


(きょうの1曲)坂本サトル/別れの時

別れの時

別れの時

 この曲は2003年に宮城県立塩釜女子高校の生徒会が卒業生を送る会で歌うために歌詞を作り、学生時代を仙台で過ごしたシンガーソングライター坂本サトルに作曲を依頼して、生まれたもの。
 坂本氏は歌詞を見て、プロなら絶対に避けるようなストレートな表現に驚いたというが、オトナが作り、オトナ(教師)が選んで生徒に歌わせるのではなく、現役の生徒が自分たちで作った歌をうたうところに意味があると考え、ほぼそのままの歌詞を再構成して曲をつけ、実際に卒業生を送る会で生徒と一緒に歌ったという。
 当然のように号泣する生徒が続出し、教師たちも坂本氏もみんな涙したというが、そういう場でこの曲を歌わされたら、そうなるだろうなぁ、と思う。
 「別れの時」というタイトルも生徒が考えたんだろうね。オトナならもう少し前向きな題名をつけそうだ。
 直後からCD化してほしいという声があがり、1年後にようやく実現。レコーディングには生徒たちも参加。1番を坂本氏が歌い、2番からは生徒が歌って、坂本氏はもう出てこない。すべて生徒だけで歌ったヴァージョンも収録。
 CDをトレイから外すと、その下に参加した生徒68名の名前が直筆で列記されている。大きな字、小さな字、几帳面な字、元気な字…。この子たちも今は20代後半になっているはず。塩釜…。みんな元気でいるかなぁ…。

 YouTubeにはアップされていないので、かわりに坂本サトルのプロデュースでデビューした仙台のガールズユニット、ドロシーリトルハッピーが歌ったライヴヴァージョン。
 ドロシーはこの曲をメジャーデビューCDのミニアルバムでカバーしていて、その記念すべき発売日が2011年3月16日。震災発生の5日後のことだ。仙台在住の彼女たちは幸い全員無事だったが、楽しみにしていたメジャーデビューの日を被災者として迎え、何の活動も出来ず、CDは店頭に並ばず、しばらくはお互いに会うことも出来なかったという。彼女たちもよく立ち直って、ここまできたものだ。

 これは2011年9月のライブ。ということは5人のうち3人はまだ中学生。初々しい。
 ところで、自分の高校の卒業式のことがまるで記憶にない。翌日からの北海道旅行のことで頭がいっぱいだったのだろうか。