小箱とたん『スケッチブック(10)』

 高校の美術部を舞台にした4コマ漫画『スケッチブック』がついに10巻に到達。本日発売、即入手。
 第1巻の初めの方を読み返しても、面白いかというと、かなりビミョーなスタートだったので、まさかここまで続くとは、と大抵の人が思っているのではないだろうか。雑誌連載は2002年3月スタートで、もう12年以上も続いているのだ。
 僕がこの作品と出会ったのは数年前、たしか7巻が出るタイミングぐらいからだったと思うが、1巻から順に読んでいくうちにすっかりハマってしまった。
 個性的すぎる美術部員たちのキャラクターが最大の魅力なのは確かだが、美術とは全然関係ないネタが多い、というかほとんど、というのも事実で、猫ネタやマニアックすぎる昆虫や植物のネタなど、ネコ好き、生き物好きへのアピール度の方がむしろ高いのかも。生物ネタでは、へぇ、と思うことも少なくない。毎回新しい知識をこの作品は与えてくれる。
 今回は美術部への執拗な勧誘を断り続けている帰宅部の生徒も巻き込んで、美術部内でバンドが結成されたり(なぜか美術室にあった楽器、ジャンべ+ピアニカ+ウッドベース+ボーカルの4人組。でもその後の展開はなさそう?)、冒頭から勢いを感じる。10巻目にしてまさに絶好調といった印象。まだまだ続きそうだ。続いてほしい。
 それにしても、10巻まできて、幽霊部員の大庭ちゃんは相変わらず「誰だっけ」&「え、いたの?」ネタなんだな。まぁ、毎回おもしろいし、好きなんだけどね。でも、彼女のように前髪が長くて目が完全に隠れている女子が実際にいたら、あまりにインパクトがありすぎて、絶対忘れないはずだけどね。しかも、前髪上げると実はかなりの美少女。個人的にけっこうファンだったりする。
 とにかく、『スケッチブック』は僕にとっては串田孫一の『旅の断想』とともに、いつでも手に取れるように枕元へ置いておきたい聖書みたいな作品(笑)。
 僕が購入したのはアニバーサリーブック付きの初回限定版。新作書き下ろしのショートコミックも収録されているので、できればこちらをおすすめ。たぶんすぐに入手困難になりそう。