前から行ってみたいと思っていた小山内裏(おやまだいり)公園に行ってきた。町田市と八王子市にまたがる多摩丘陵に造成された都立公園である。
最寄り駅は京王相模原線で終点・橋本の一つ手前の多摩境駅。電車が駅に着く寸前にくぐるトンネルの真上が公園である。
駅を出て、南大沢方面に歩くと、トンネルがあり、その脇の階段を登ると、そこはもう公園内だ。多摩丘陵の稜線を続く尾根緑道を横切り、反対側へ下ると、パークセンターなどがある公園の中心地。
福寿草が咲いている。
ほかに梅やロウバイも咲いている。桜までちらほら。
この公園で見てみたかったのは大田切池。写真で見たことがあり、水の中に枯れ木が林立する姿が上高地の大正池みたいだな、と思ったのだ。どんなところだろう。
期待したほどではなかったが、悪くはない。水がもう少しきれいだったら、と思う。
そもそも大田切池とは多摩川の支流・大栗川のそのまた支流、大田川の源流部に位置し、昭和60年頃に周辺の宅地化に伴い、大田切谷戸の湧水をせき止めて造成した池だそうだ。源流の岸辺に生えていた杉が水没して立ち枯れ、現在のような景観が生まれたのだという。ちなみに大田切とは大田川が切れるところという意味だそうだ。
池の奥はサンクチュアリとして保護され、立ち入ることはできない。いろいろな生き物が生息しているようだ。
タヌキだけでなく、キツネやイタチまでいるとしたら、東京都内としては相当な自然が残っているということになる。
ここまでに見かけた野鳥はシジュウカラやメジロ、キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、ツグミぐらい。ルリビタキに会いたいな、と思っているのだが。
ツグミ。
小山内裏公園は実際に来てみて分かったのだが、公園内の大部分が立ち入り禁止のサンクチュアリになっていて、散策できる場所はかなり限られている。それで、とりあえず外周路を反時計回りに一周してみることにした。
雑木林の中の道を行くと、さっそくエナガの群れに遭遇したり、アオゲラの声が聞こえてきたりした。
雪化粧した丹沢や奥多摩の山々も見える。手前の山が近いせいか、富士山は見えない。
やがて、再び尾根緑道に出た。この道は昔、陸軍が戦車のテストコースとして造成した道で、「戦車道路」(約8キロ)とも呼ばれていた。一度、この道を町田方面から自転車で走ったことがある。この道を通って橋本へ出て、さらに津久井湖方面へ向かったので、その時にこの公園内も走ったかもしれない。
その尾根緑道を町田方面へ向かう。この尾根の西側は平坦な相模平野で、この稜線が武蔵と相模の境界になっていたようだ。将来、リニア新幹線で品川の次の駅ができる橋本の街を眺めながら、南東へ歩く。
河津桜が咲き始めている。
尾根緑道はいい道だった。散歩をする人、ジョギングをする人、サイクリングをする人、バードウォッチングを楽しむ人。
左にはサンクチュアリの雑木林、右には林の合間に丹沢山系や相模平野の街並みを眺めながら、のんびり歩く。こんな道が家の近くにあったなら、どんなにいいだろうと思う。
シロハラがいた。
ヤマガラ。
ほかにウグイス、アオジなど。
どこまでも歩いていきたくなる尾根緑道が公園を抜けて、さらに南東方向へ伸びていくが、そちらへは行かず、小山内裏公園の外周を行く。公園の南から東側(八王子市側)へ回り込み、今度は北西へ向かって歩くと、内裏池という小さな池があった。フェンスに囲まれた味気ない池だったが、ここにはカワセミがいた。
広い公園をぐるりと一周して、パークセンターに戻ってきた。これで帰ってもよかったのだが、もう少し歩きたかったので、もう半周。
メジロ、エナガ、シロハラなどを眺めながら歩いていたら、アオゲラの声がして、足を止めたら、近くの木に飛んできた。
さらに最後に出た! ルリビタキ。
これは雌かな。でも、若雄かもしれない。詳しい人なら一目瞭然なのかもしれないが、詳しい人ではないので、判断がつかない。ルリの雄がきれいな青色になるまで3年ぐらいかかるそうだ。
またシロハラ。
小山内裏公園を1.5周して、一応満足し、帰りは南大沢駅まで続く遊歩道を歩く。この道もなかなかよくて、ここではジョウビタキ♀に会った。
自宅から自宅までで24,694歩。
(きょうの1曲)Hugh Hopper & Alan Gowen / Waltz for Nobby
Hugh Hopper / Alan Gowen – Waltz For Nobby ( Audio rip from UK Vinyl LP)