1983-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春の雪野を歩く

北海道のオホーツク海に面した浜小清水のユースホステルで迎える朝。 目を覚ますと、寝室は朝の光が差し込んでいた。 すでに起きて出発の準備をしている人、まだ朝の眠りをむさぼっている人。人それぞれの生活習慣を垣間みることのできる旅先の朝。 洗面所の…

名寄本線湧別支線&湧網線

前夜22時15分に札幌を発った網走行きの急行「大雪5号」は午前4時08分、深い闇の中で早くも目覚めた遠軽駅に停車した。プラットホームに降り立つと早朝の寒さが身にしみる。 降りたホームの反対側には古びたディーゼルカーが車内灯をあかあかとつけて待って…

オホーツク沿岸を行く  

湧網線 浜佐呂間駅9時49分発の湧網線・中湧別行き924Dに乗車。キハ22-321の単行。地元の人々の高らかな話し声が賑やかな車内では僕だけがよそ者だ。 列車は牛のいる牧場を見て、林の中を抜け、のんびり走る。どこの駅だったか、駅員の代わりにお婆さんが下車…

本当に霧の摩周湖とタンチョウ

北海道・摩周湖に近いユースホステルにいる。 午前4時。「4時ですよ」というヘルパーさんの声にすぐ目を覚ます。宿から5.5キロほどの摩周湖まで歩いて日の出を見に行くのである。相部屋の寝室のドアの表には『全員行きます』の札が掛けてあり、それに合わ…

霧の根室本線〜客車鈍行441列車

札幌発釧路行きの夜行急行「まりも3号」。年老いたダークブルーの寝台車スハネ16−501の狭いベッドの上で目を覚まし、時計を見ると5時半を回っていた。 まもなく白糠に停車。今秋の廃止が決まった白糠線に別れを告げようと訪れる旅行者数人を降ろして、列車…

急行「八甲田」〜青函連絡船「大雪丸」

上野駅の13番線ホームには独特の雰囲気がある。行き止まり式の地平ホームの中でも一番端に位置し、頭上は高架ホームに覆われているため、いつも薄暗く、どこかヨーロッパのターミナル駅のようでもあるし、その仄暗いなかに列車が運んできた北国の空気が濃密…