WBC日本2連覇!!!

ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われた第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝戦、日本が延長10回、5−3で韓国を下して第1回大会に続く2連覇の偉業を達成した。
両チームの先発は岩隈と日本キラーの左腕・奉重根
日本は初回から何度もチャンスを作るものの、決め手を欠き、3回表、中島の内野安打を足がかりに小笠原のタイムリーでようやく1点先制。
5回裏、岩隈が韓国チーム唯一の大リーガー秋信守に一発を浴び、同点に追いつかれたが、7回に片岡の安打と盗塁、イチローのバント安打で無死1・3塁として中島のタイムリーで勝ち越し、続く8回にも岩村犠飛で3−1とした。
7回まで好投の岩隈が8回裏に1点返されると、今大会安定度抜群の杉内を投入して後続を断ち、9回は抑えにダルビッシュを起用。ところが、ダルのスライダーが決まらず、2四球で1・2塁のピンチを招き、2死までこぎつけたものの、ヒットを打たれて土壇場で3−3の同点に追いつかれてしまった。
世界一決定戦はそのまま延長戦に突入。日本は先攻だけに嫌な感じだったけれど、10回表、韓国の守護神・林昌勇から内川がヒットで出塁すると稲葉が送り、岩村の左前打で1死1・3塁のチャンス。代打・川崎が遊飛に倒れ、2死でイチローに回る。ここで点が取れなければ、流れは一気に韓国に行ってしまうし、サヨナラ負けの可能性も高まる緊迫の場面。まさに祈る気持ちになった。岩村が2塁に盗塁して2・3塁。これで1塁が空き、イチローは敬遠かと思われたが、韓国バッテリーは勝負に出た。この林昌勇とイチローの対戦は本当に見応えがあった。イチローは追い込まれながらもファウルで粘り、最後は8球目を鮮やかに中前に弾き返して2者を迎え入れた。大会前半は不振だったイチローだが、今日は4安打。まさにここぞというところで、さすがとしか言い様のないバッティングを見せてくれた。すごい!
その裏をダルビッシュが抑えて、5−3で日本が勝つ。
いやぁ、さすがに決勝戦というに相応しいシビれる試合だった。これは勝ったからこそ言えることだけれど、9回にダルビッシュが追いつかれたからこそ、10回のドラマがあったわけだし、あのまま3−2で逃げ切るより遥かに印象深いゲームとなった。
大会MVPはなぜか松坂。前大会に続き2度目。今回は岩隈だと思うが…。メジャー選手以外は選考の対象外ということか?

前回の優勝はツキに恵まれたという面もあったし、さすがに連覇は難しいだろうと予想していたのだが、強力な投手陣とつなぎの野球で2度目の頂点に登りつめた侍ジャパンには本当に感動した。それにしても、韓国もやっぱり強いわ。結局、日本と韓国という国民的に非常に盛り上がっている国の代表が強かった、というのが今回のWBCだった。
アメリカの野球関係者やファンは日本のWBC連覇や去年の北京五輪・韓国金メダルという結果をみても、アジア野球が世界最強だ、なんてことは認めないだろうし、僕だってそこまで言うつもりはないけれど、かといって、それを否定する根拠も何もないわけで、悔しかったら、次回はアメリカももっと真剣に取り組んでくれ、と言いたい。
まぁ、日韓を含め、普通の国の人々にとっては自国の上にWBCのような“世界”という、より高い次元が存在するわけだけど、アメリカ人にとってはアメリカより上位に世界(国際的な舞台)があるという感覚がないのだろう。なぜなら、アメリカそのものがヨーロッパだのアジアだのといった古臭い世界から抜け出してきた人々の創造した豊かで自由な新世界にほかならないからだ。
彼らにしてみれば、野球における至高の目標は大リーグのワールド・シリーズで優勝することであり、WBCとはメジャー選手が出身国別に分かれて対戦する余興みたいなものなのだろう。昨日の準決勝の日本・アメリカ戦の全米平均視聴率は2.1%だったそうだ。この無関心ぶりからすると、イチローや松坂がせっかくアメリカでメジャーリーガーとしても成功しているのに、今さら日本代表として必死にやっている意味が理解できないのかもしれない。
今回の結果で、アメリカの外側にもレベルの高い野球が存在し、大リーグで優勝しただけでは真のワールド・チャンピオンとは言えないのだ、という認識がアメリカでも少しずつでも広まり、リアル・ワールド・シリーズの実現に向けて動き出してくれれば、と思う。

最後に。原監督がシャンパン・ファイトの前に言った「本当に、お前さんたちはネ、強いサムライになった! おめでとう!!」の言葉がよかったね。
次は4年後。待ち遠しいなぁ。イチローは39歳、どうなっているだろう。マー君ハンカチ王子が2枚看板とか?!