西伊豆ツーリング

4日間続いた雨が止んで、すっかり晴れ上がった9日、6時前に出発して、愛車とともに小田急線〜東海道線を乗り継いで、8時20分過ぎに静岡県沼津駅に到着。ここで自転車を組み立て、走りだす。
国道414号線を南に下り、口野から県道17号線に入る。このあたりからはずっと海沿いで、しかも海の彼方に富士山や南アルプスの真っ白な峰が望まれるぜ絶景ロード。自転車とも頻繁に出会う。僕はあちこちで写真を撮りながらのんびり走る。
山からはウグイスやメジロのさえずりが盛んに聞こえてくる。火の見櫓のあるのどかな漁村もいい雰囲気で、古い石仏や道標も点在している。


沼津駅から29キロ走って伊豆半島の北西端の大瀬崎に着く。ひょろりと伸びた岬に囲まれた湾は大勢のダイバーで賑わっていた。
岬の先端のビャクシンの林や海に囲まれた不思議な淡水池「神池」、灯台などを見て回る。




大瀬崎をあとに、ここから本格的な上り坂。ラクとは言わないけれど、まだこのぐらいなら大丈夫だ。
406メートルの井田トンネルを抜けると、今度は下り。まもなく眼下に井田集落が見えてきた。こんなきれいなところがあったのかと驚くほどの美しい海辺の村。水を張った田んぼと池(明神池)の眺めが素晴らしい。


井田への入り口を過ぎると、再び上りで、「煌めきの丘」という絶景スポットに着いた。しばらく休憩。


断崖上の道をアップダウンを繰り返しながら行くと、やがて、眼下に戸田(へだ)の集落が見えてきた。ここも大瀬崎に似た岬に囲まれた漁村。海の彼方には富士山、南アルプス御前崎などがずっと見渡せる。




坂を下って、戸田に着き、岬の先端まで行って、付近を散策&休憩。海の中をのぞくとコバルトブルーの熱帯魚がいっぱい泳いでいる。


さて、戸田からは山越えである。戸田峠を越えて、内陸部の修善寺方面に抜けるつもりなのだ。峠の標高は一体何メートルなのか、どれだけ大変なのか、全然知らないのだが、まぁ、何とか行けるだろう、と楽観的に考えている。
走り始めると、「戸田峠10キロ」の標示があった。前方に立ちはだかる山はけっこう高そうだ。あの山を越えるのかぁ…。

最初の3キロほどはなだらかな上りだったが、途中からは勾配も急になり、しかも、暑くて、超ノロノロ。木陰があるごとに休みながら進む。想像より遥かにきつい。戸田峠を甘く見すぎていた。


勾配は上れば上るほどきつくなり、しかも、前方の山の高い所に急傾斜のガードレールが見えたりして、精神的にも参った。もう降参!という気分だったのだが、引き返すわけにもいかず、なんとか頑張った。




遥か眼下に逆光に霞む駿河湾と戸田湾が見えてきたが、まだまだ上りが続き、戸田から10キロでようやく戸田峠(霧香峠)にたどりついた。2時間近くもかかってしまった。あとで知ったのだが、標高は770メートルらしい。

峠を越えると、今度は急激な下り。まもなく達磨山レストハウスというのがあり、展望台から沼津の街や富士山が見えた。


あとは一気に修善寺まで下り、伊豆箱根鉄道修善寺駅に16時20分頃着いて、ここから輪行で帰る。