第60回有馬記念

 今年の中央競馬のフィナーレを飾るグランプリ、第60回有馬記念中山競馬場・芝2500メートルで行われ、豪華メンバー16頭が出走した。
 一昨年のこのレースではオルフェーブルが、そして昨年はジェンティルドンナがそれぞれラストランを有終の美で飾ったが、今年は3年前のこのレースを勝った“葦毛の怪物”ゴールドシップ(6歳)の引退レース。ファン投票で1位に選ばれた彼が最後を優勝で締めくくれるかどうかに注目が集まり、単勝でも1番人気。
 レースは揃ったスタートで、まずゴールドアクター(吉田隼)が飛びだしたが、すぐに抑えて、菊花賞キタサンブラック横山典)が先頭に立ち、リアファルルメール)が並ぶように先行する。ゴールドシップ(内田)も好スタートながら、いつも通り加速がつかず、最後方から。2番人気のラブリーデイ(川田)は先行勢を見ながら直後を進む。
 レースは最初の1000メートルを62秒台のゆったりとした流れとなったが、向こう正面でゴールドシップが一気に加速して、外から順位を上げ、2度目の3コーナーでは先頭集団に取りつく位置まで進出。これで最後にもう一度スパートするというのはかつてのゴールドシップの得意の勝ちパターンでもあった。場内も大歓声。
 そして、キタサンブラックが先頭のまま、4コーナーを回って最後の直線に入ると、先頭集団にいたエリザベス女王杯の勝ち馬マリアライト(蛯名)が先頭に並びかけるが、ゴールドシップは最後の伸びがない。かわりに終始3番手の内側にいた8番人気のゴールドアクターが鋭く伸びて、前の2頭を交わし、外から追い込んできたサウンズオブアースデムーロ)をクビ差で抑えて先頭でゴールイン。GI初制覇を達成した。
 ゴールドシップは8着に終わり、GI最多タイの7勝目はならなかったが、彼らしさは見せてくれたと思う。レース後に引退式が行われる。
 ゴールドアクターは今年マイルGI3勝のモーリスと同じスクリーンヒーロー産駒の4歳。前走(アルゼンチン共和国杯)で重賞初勝利をあげたばかりだが、これで4連勝。このままの勢いで吉田隼人騎手とともに来年も活躍してほしい。

 1着 ゴールドアクター(吉田隼)  2着 サウンズオブアース  3着 キタサンブラック
 4着 マリアライト  5着 ラブリーデイ