雨の根室

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        雨の朝

 根室駅は朝から小雨に濡れていた。
 構内に開設された古い客車利用の簡易宿泊施設、ツーリングトレインで迎える新しい一日。

根室駅のツーリングトレイン。前日撮影)

 窓の外では始発の釧路行きディーゼルカーがエンジンを震わせて出発を待っている。列車の旅なら、雨にもそれなりの情緒があっていいのだけれど、自転車ではそういう気分にもならない。
 そういえば、昨夜銭湯で見たテレビのニュースで台風崩れの低気圧が北海道方面に接近するようなことを言っていた。この雨はその影響なのかどうか。
 いずれにせよ、ここでじっとしていても仕方がないし、覚悟を決めて出発するほかない。雨中のサイクリングといっても、荷物の防水さえ万全にしておけば、あとは気持ちの問題だけだ。今日の目的地は尾岱沼。80キロほどの行程である。

 プラットホームの屋根の下で出発の準備をしていると、チャリダーが2人起きてきた。
「今日はどこまで行くんですか」
「尾岱沼あたりまでかなぁ。途中で挫折して、ここに戻ってくるかもしれないですけど…」
「僕らは羅臼まで…」
「そりゃ大変だ」
「まぁ、行ければ、ですけどね」
 ここから知床半島羅臼まで140キロはあるはず。走れない距離ではないが、なにしろこの雨の中だから、強行軍ではある。とにかく北海道ではいったん町を出てしまうと、次の町まで当分は無人の原野を走るわけで、悪天候になっても逃げ場が全くないのだ。
「じゃあ、お先に…」

 6時45分に根室駅を出発。国道44号線に出て、釧路方面へ走り出す。根室市郊外の春国岱に立ち寄った後、30キロ余り先の厚床まで行って、そこから北上するのが今日のルートである。
 1日たらずの短い滞在だったにもかかわらず、いつしか根室の街に愛着を覚えるようになって、後ろ髪を引かれる思いもあるが、これでまた当分はお別れである。

 

     予想外の展開

 雨に濡れながら走っていると、横でクルマがクラクションを鳴らして停まった。何かと思って、こちらも停まると、車内からおじさんの顔がのぞく。
「釧路まで行くのか?」
「いえ、尾岱沼の方へ…」
「この先に俺の店があるから、コーヒー飲んでけ」
「はぁ…」
 思わぬ言葉である。言外の意味としては「この雨の中、大変だな」というよりは「ビンボー旅行なんだろ?」に近い気がするが、ありがたいことではある。
 店の名前だけ告げて走り去るクルマを見送り、こちらもまた走り出す。

 2キロほど行くと、おじさんは雨の中、道路際まで出て、待っていてくれた。ちょうど根室の街はずれにある弁当屋さんである。
 最初はそのような親切に甘えてしまっていいのだろうかとも考えたのだが、こうなれば変な遠慮はしないほうがよさそうだ。
 テーブルと椅子が並ぶ小さな店内に招じ入れられて、おじさんが淹れてくれたコーヒーをごちそうになる。コーヒーどころか、よかったら泊まっていけ、とまで言ってくれる。隣に畳の部屋があるそうだ。根室では明日から夏祭りで、時間があれば見ていったほうがいいというのだ。
 そこまでお世話になるつもりはないけれど、おじさんの話では、ビンボー旅行者がしばしばこの店で食事をさせてもらったり、泊めてもらったりしているらしい。先日も手押し車に猫を乗せて徒歩で北海道一周中という風変わりな女の子が疲れ切った様子で通りかかり、いろいろと面倒をみてやったそうだ。
「いろいろ変わったのがいるよなぁ」
 おじさんは面白そうに言う。そんな話を聞くと、自転車旅行なんていうのはまだまだ序の口というか、むしろノーマルな旅行形態に思えてくる。
 旅という行為が肥大化する観光産業にどんどん取り込まれていく中で、そうした観光業者からすれば全くカネにならない変な旅人がやたらに多いのが北海道の面白いところである。

「パートのおばちゃんたちを迎えに行ってくるから、ちょっと留守番頼む」
 おじさんは店に僕だけ残してクルマで出かけてしまった。会ったばかりの見ず知らずの旅行者に留守番させるというのも変な話だが、この辺が北海道人の大らかさなのかもしれない。それにしても、思わぬ展開になった。

 水飛沫をあげて車が往き交う国道の向こうには鉛色の根室湾。椅子に座ったまま、ガラス越しにそんな風景をぼんやり眺めていると、雨を衝いてチャリダーが走り過ぎていった。羅臼まで行くと言っていたあの2人だ。僕の方は朝早く勇んでスタートしたのに、3キロほど走っただけでこんな具合になっている。まぁ、いいか。

「おい、午後から大雨になるってよ」
 おじさんはパートのおばちゃん2名とともに戻ってくるなり、そう言った。
「今日はここでゆっくりしていきな。明日の午前中にお祭りを見物してから出発すれば、夕方には尾岱沼に着けるから」 
 おじさんはおばちゃんにおにぎりを作るように命じている。朝食はパンで済ませたと言ったのだが、そんなのでは持たないだろうというのだ。おばちゃんたちは「社長がまた変なのを連れてきた」とでも思っているのではないか。さすがに恐縮してしまう。
 出てきたのは特大のおにぎり3個。具には鮭と辛子昆布。ほかに焼いた紅鮭イカのフライ。結局、ありがたくいただいてしまったが、なかでも紅鮭は絶品。東京で食べるのとは鮮度が違うせいだろうか、こんな美味い鮭は食べたことがない。そう言うと、おじさんは「そうか、美味いか」と、とても嬉しそうな顔をした。
 日本全国を転々としながら様々な仕事をした後、故郷の根室に戻ってこの店を始めたそうだ。まるで寅さんみたいな人で、おかしな体験談を次々と楽しそうに話してくれる。

 最初はすぐに出発するはずだったのに、話は尽きず、いつのまにか今夜はここに泊めてもらうことになってしまった。晩飯も心配しなくていいから、とは言うけれど、そこまでお世話になるのはちょっと心苦しい。いずれにせよ、今日は根室郊外の春国岱へ行ってみたいので、大雨になる前に急いで出かけてこよう。
 荷物を置かせてもらうため「畳のある部屋」というのに入ってみた。店舗の隣に立つ民家の一室で、そこだけ独立して専用の出入り口がついている。おじさんが借りていて、自由に使っていいことになっているのだそうだ。
 内部の床はコンクリートで、奥にくたびれた畳が4枚並べて置いてある。ほとんど物置のようで、机、椅子、ストーブがあるほか、発砲スチロールや段ボールの箱が無造作に積んである。換気口にはスズメが巣を作っていて、枯れ草がはみ出している。これなら泊めてもらうといっても、さほど心の負担にはならないが、我ながら一体なんという旅をしているのか、と思う。
 とにかく、テントや寝袋、その他大きな荷物はすべて畳の上に投げ出し、必要なものだけリュックに詰めて自転車で出発。いつのまにか8時半を過ぎていた。

 

     春国岱

 根室湾沿いを7キロほど走ると温根沼大橋を渡る。
 昨日も南側から眺めた温根沼は地図でみると根室半島の付け根あたりにできた三日月形の裂け目のような周囲15キロの汽水湖である。橋はその湖口に架かり、橋の下の干潟にはアオサギがいた。

 雨に煙る温根沼を過ぎて台地への坂を上ると、まもなく駐車場があり、そこが春国岱への入口だった。「春国岱原生野鳥公園」の案内板が立っている。
 春国岱は根室湾と風蓮湖を隔てる長さ8キロ、幅1.3キロの長大な砂州で、その上に干潟、湿原、広葉樹林、針葉樹林など海岸から高山までの自然が同居する特異な場所だそうだ。当然、動植物の種類も豊富で、なかでも鳥類はこれまでに300種以上が観察されたという。まさに自然の宝庫なのである。

 ちなみに春国岱の語源はアイヌ語の「スンク・ニタイ」で、エゾマツ林の意味だという。砂丘の上に自生するエゾマツ林は世界でも2例(もう1カ所は国後島)しか知られていない大変貴重な場所だそうだ。 その春国岱を見渡す高台に立つネイチャーセンターで無料貸し出しの双眼鏡と鳥類図鑑(水辺編と野山編の2冊)を借りて、自転車はセンターの軒下に残し、散策に出発。さいわい雨は小降りになってきた。

 雨に濡れた草をかき分けるように台地を下ると、風蓮湖の湖口付近に架かる橋があり、これを渡れば春国岱である。橋の欄干にはアヒルみたいに大きなオオセグロカモメがずらっと翼を休めていて、近づくとフワッと舞い上がる。

 風蓮湖根室半島の付け根の北側に広がる周囲96キロの大きな湖で、国内最大級の白鳥飛来地として知られている。ここから見えるのは湖の最南部のほんの一部に過ぎず、全容を知ることはできない。白鳥は春と秋の渡りの中継地として飛来するので、もちろん今はおらず、ただカモメとカラスとアオサギだけが目につく。高倍率の双眼鏡が嬉しくて、珍しくもない鳥にまでいちいちレンズを向けてみる。

 雨のせいか、とても静かで、僕のほかには親子連れがすぐ前を歩いているだけ。やはりバードウォッチングをしているようで、草原でさえずる野鳥を双眼鏡でのぞいている。見れば、茶色の翼で頭の黒い小鳥がいる。お父さんが「オオジュリンだ」と言っているのが聞こえたので、図鑑で確かめる。なるほど、そうらしい。ネイチャーセンターでもらった案内パンフレットには「春国岱野鳥リスト」が載っていて、それによれば、オオジュリンは夏の繁殖期に見られる鳥だそうだ。

 波形を描いて飛ぶハクセキレイに導かれるように歩いていくと沼地に架かる木橋を渡る。湿原の彼方には立ち枯れた木々が霧に霞み、その幻想的な風景を犯しがたいほどに張りつめた静寂が支配している。こういう神聖な場所では人間はなるべく自分の存在を小さくするのが自然に対する礼儀というものである。

 木道に導かれて海辺の湿原からアカエゾマツの原生林に入ると、あたりは急に上高地みたいな風景に変わる。すぐに樹上に青みの強い灰色の小鳥を発見。双眼鏡をのぞくと、ゴジュウカラだ。まるで木の診察をしているみたいに幹の周りをせわしげに動き回っている。

 さらに行くと、今度は木道の上に尾を上げて長く複雑にさえずる焦げ茶色の小鳥。あれはきっとミソサザイだろう。さっそく図鑑で確認。本来は山の鳥だが、ここでは海岸近くでも見られるのだ。ひとしきり歌って森の奥へ姿を消すまで息を殺して見守る。

 次々といろいろな野鳥に出会えて楽しいが、困るのは蚊がやけに多いこと。しかもデカイ。餌がやってきたぞとばかりに顔や脚を狙って次々と襲いかかってくるのを手で追い払ったり叩いたりしながら歩く。自然の聖域を歩くのはなかなか大変なのである。

 この辺には特別天然記念物クマゲラも生息しているらしいので、ドラミングが聞こえないかと耳を澄ますが、それらしい気配はなかった。

 小鳥の声以外はまったく静かな鬱蒼とした森の中にいると、山奥の道を歩いているような錯覚に陥る。パンフレットにはキタキツネやエゾシカがいるとしか書いていないから、ヒグマが出ることはないだろう。

 原生林の中をめぐる1.2キロのコースを経て湿原に戻ると、木道の上にまた見知らぬ小鳥。ウグイスに似た褐色の地味な鳥で、目の上に白い線がある。図鑑やパンフレットをあれこれ調べてみると、シマセンニュウかマキノセンニュウあたりではないかと思うのだが、素人にはちょっと識別できない。まぁ、いいか。どうせ小鳥たちだって自分の名前なんて知らないのだ。そう考えることにしよう。それにしても、この春国岱は野鳥好きにとっては天国よりも素晴らしい場所に思えるのではないだろうか。

 今度は湿原沿いの草深い小径をたどる。右手に連なる砂丘はおよそ3キロにも及ぶハマナスの大群落で、これは国内最大級だそうだ。ハマナスは6月から7月が花の見ごろで、すでに盛りは過ぎているが、まだ名残りの花がそこかしこで咲いているし、赤く色づいた実も鮮やかだ。また、カワラナデシコの可憐な花もあちこちで見かける。

 そして、ここにもいろいろな野鳥。カワラヒワの群れや喉の赤いノゴマなど。湿原の対岸にはタンチョウのつがいの姿も確認できた。

 生態系の絶妙のバランスの上に成り立つ春国岱のうち、人間が侵入を許されるのはほんの一部に過ぎないが、散策路はすべて歩き尽くして、ネイチャーセンターに戻ったのが12時05分。雨の中で3時間近くも歩いたことになる。双眼鏡の利用者名簿の記録をみてもこんなに長時間借りた人はあまりいない。まぁ、こんなところで双眼鏡を借りるのは本格派のバードウォッチャーではないわけだし、本当に好きな人なら3時間どころか何日いても飽きないに違いない。春国岱の魅力に取りつかれて根室に移住してしまった人もいるらしい。そういう気持ちも理解はできる。   

marimo.or.jp

 さて、午後になって、弁当屋に戻ると、店は無人で、ガラス戸には鍵が掛かっていた。
「10日、11日連休させていただきます。店主」の貼り紙がある。今日はまだ9日である。
 祭りが始まると寄付金集めに来るから期間中はちょっと旅に出てくると言っていたけれど、もう出かけてしまったのだろうか。荷物を置かせてもらった物置部屋の鍵は掛かってないので困りはしないが、取り残されたようで、妙に寂しい。

 雨は小康状態で、大雨になる様子はない。これなら尾岱沼まで行ってしまえばよかったとも思う。まぁ、尾岱沼行きを断念したおかげで春国岱をのんびり散策できたわけだし、今から行ったのでは尾岱沼に着くのは夜になってしまうから、やっぱり今日はここに泊めてもらうことにしよう。

 

     根室駅に逆戻り

 というわけで、早朝に出発した根室駅前にまた舞い戻ってきてしまった。
 鉄道とは無縁の自転車旅行であっても、やっぱり旅先で一番の心の拠りどころは駅なのだ。これは僕だけのことではないようで、ほかにもバイクや自転車の旅行者が数人たむろしている。
 だだっ広い駅前通りにはトラックを改造して紅白幕や提灯やモールで派手に飾られた山車が繰り出し、イナセな格好の若い衆が練り歩いている。

 根室の祭りは各地区ごとに趣向を凝らした山車が競い合い、それが最大の見ものだそうだ。明日からのはずだが、今日は本番前のデモンストレーションだろうか。
 正確には金刀比羅神社例大祭といい、根室市の観光パンフレットによれば北海道三大祭りの一つで、市民には「こんぴらさんのお祭り」として親しまれているとのこと。

 

     花咲ガニを食べる

 しかし、お祭りよりも何よりも駅前カニ市場の店先に並ぶ花咲ガニの誘惑にはやはり抗しがたい。「北海道旅行=美味しいものを食べる」という旅行雑誌かグルメ番組みたいな旅にはあまり関心がないはずなのだが、無性にカニが食べたくなってきた。というより、実は昨日根室に着いて以来、ずっとカニ市場が気になっていたのである。
 花咲ガニは小ぶりなものなら1匹1,000円から買え、値段も手ごろである。もちろん、その場で食べることができ、今も3人連れの観光客が嬉しそうに写真を撮り合いながら大きなカニ(たぶん2,500円の)を囲んでいる。こちらは1,000円の小さいカニで十分なので、真っ赤に茹で上がったばかりの中から良さそうなのをおばちゃんに選んでもらい、さっそく借りたハサミを片手に、お皿の上に鎮座ましましたカニの解体に取りかかる。棘だらけの手や脚をもいで、ハサミで切り開くと、身がぎっしり詰まっていて、それを口に入れると、独特の甘みが広がる。
 店内のテレビでは昨日から始まった高校野球の中継をやっているが、そんなものには目もくれず、一心不乱にカニと格闘し、黙々と殻の山を築いていったのだった。

 

     根室のお祭り

 大満足で、再び自転車に乗って、あてもなく走り回る。
 雨に濡れた街は灰色の印象。かつて流氷の季節に来た時よりも暗い。まるで夏に見放されたような…。根室漁港の眺めも寒々としている。
 そんな街の中に広い商店街があって、両側に数百メートルにわたって露店が並んでいた。そこだけが賑わっている。こういうのは懐かしくて、無条件に心が浮き立つ。
 たこ焼き、焼きそば、お好み焼き、おでん、チョコバナナ、焼きトウモロコシ、焼き鳥、焼きイカ、フランクフルト、フライドポテト、ラムネ、綿菓子、お面、植木市などなど…。大人気の「たまごっち」が当たる数字合わせなんていうのもあって、とりわけ子どもたちの注目を集めている。それから、数人のロシア人がたこ焼きを食べながら歩いているのも根室ならではの光景か。

 こうして旅先で出会うお祭りというのはいいものである。一般にお祭りとは地元の人々にとって日常生活の中で忘れがちな郷土意識とか伝統的な共同体の絆みたいなものを再認識する場であるが、その分だけ祭りの外側にいる旅行者はヨソ者としての自分を意識させられる。そんな祭りの楽しさと旅の寂しさが綯い交ぜになった気分が僕は案外好きなのである。

(雨に濡れた通りに露店が並ぶ)


     根室の夜

 露店の裸電球に灯が点り、雨に濡れた路面に光の影が映るようになった。そろそろ戻ろうか。夕食の心配はするな、と言われたけれど、一体どういうことになっているのか。とりあえず、食料は買わずに根室の中心街から3キロほど離れた弁当屋に帰ってみた。時刻は17時半を過ぎたところ。

 お店は相変わらず閉まったままで、しんと静まり返っていたが、物置部屋に入ると、いつのまにか畳の上におにぎりが置いてあった。そばに書き置き。
「おにぎりをおいていきますのでたべてください」
 朝、食べさせてもらったのと同じ、きれいに海苔でくるまれたおにぎりで、2個入りが4パックで計8個も…。市販のおにぎりで、こんなに大きなものは見たことがないというぐらい大きなおにぎりで、一度に8個はとても食べられないから半分は明日に残しておこう。それにしても、予想以上にお世話になってしまった。ひたすら感謝、感謝である。

 さて、今日はもう何もすることがない。自転車も屋内にしまい、ひとり寂しく寝袋にくるまって、ラジオの野球中継を聞きながら地図など眺めていると、時折、換気口からチュンチュンとスズメの声がする。そればかりか、壁の向こうから人の声も微かに漏れてくる。完全に独立した部屋とはいえ、ここは他人の家の一部なのだ。どこの誰とも分からない人間がもぐり込んでいることを承知しているのかどうか。本来なら了解を得ておくべきなのだろうが、むしろこのまま気づかれずに過ごした方がいいような気がする。いずれにしても、夜が明けたらなるべく早く発つことにしよう。明日も天気は心配なのだが…。
 本日の走行距離は37.7キロ。

 

 つづく