MIKE OLDFIELD/Incantations (1978)

インカンテイションズ(紙ジャケット仕様)

インカンテイションズ(紙ジャケット仕様)

 英国のマイク・オールドフィールドといえば、映画「エクソシスト」で使われた“Tubular Bells”が有名で、僕も大好きだけれど、一番よく聴くのは、この“Incantations”だったりする。邦題は「呪文」。4部構成、トータル72分を超える壮大なロックシンフォニーとでもいうべき作品で、LP2枚組みとして発売されたが、CD化に際して1枚にまとめられている。マイクがひとりで2千回以上とも言われるオーバーダビングを重ねて創り上げた“Tubular Bells”以降、“Hergest Ridge”,“Ommadawn”と続く三部作はどれも感動的だけれど、この4作目の「呪文」はまさに集大成的な傑作。例によって、ほとんどの楽器をマイクが演奏しているほか、今回はさらにストリングスや女性コーラス隊、アフリカン・ドラムなどが加わり、力強くも美しい作品に仕上がっている。どんどん場面が展開していく構成が素晴らしく、グイグイと引き込まれる。とりわけ、Pierre Moerlinのヴィブラフォン、そして、Maddy Priorの歌唱が印象深い。