ある小学校の思い出


 1997年8月、北海道網走市の内陸部に広がる農村地帯を自転車で散策していた時、たまたま古い木造校舎のある小学校の前に出た。網走市立音根内小学校。何ともいえず、いい雰囲気の学校だなぁ、と思って、門の前に自転車をとめて眺めていたら、近くの民家から地元の方が出てきて、この学校はその少し前にドラマの撮影に使われたのだと聞かされた(ちなみに『みにくいアヒルの子』というドラマだそうです)。

 夏休み中のため、学校には校長先生だけがおられ、運よく校内を見学させていただいた上に、校長室に通され、コーヒーまで出していただいて、いろいろとお話をうかがうことができたのだった。創立から80年以上経つ歴史ある小学校ながら、僕の訪ねた年は教職員9名、生徒数わずか25名で、数年後に近隣の小学校との統合により廃校が決まっているという話だった。
 8月だというのに、うすら寒い日で、校庭の寒暖計の水銀柱は11.5℃を示していたのを覚えている。

 1997年の訪問記


 その3年後、2000年の夏に再び音根内小学校を訪ねてみたら、すでにその年の春に廃校になっていた。校舎もその後、取り壊されたそうだ。

(廃校になった音根内小学校 1915-2000)

(「網走市立音根内小中学校之跡地」の碑)


 2012年5月にはこの学校の跡地付近でヒグマの足跡が見つかったとか…。
 学校周辺の風景。

2000年の訪問記