1972年の上野駅

 きのうは上野駅で発車を待つ「北斗星」の写真を紹介したが、僕の手元にある一番古い時刻表である1972年11月号(裏表紙は石原裕次郎が登場した清酒「松竹梅」の広告)を開いて、当時の上野駅の状況の一部を夜行列車に限って紹介してみよう。もちろん、当時は東北・上越新幹線も存在しない時代。
 19時02分に仙台行きの特急「ひばり11号」が発車すると、夜行列車の時間帯となる。もちろん、この後もその日のうちに目的地に着く短距離の特急や急行はあるけれど。

 19:04 急行「八甲田」青森行き(東北線経由)寝台あり
 19:35 急行「津軽」青森行き(奥羽線経由)寝台あり
 19:50 特急「ゆうづる1号」青森行き(常磐線経由)寝台電車 
 19:50 急行「北陸1号」福井行き(長岡経由)寝台あり (季節列車)
 20:00 特急「ゆうづる2号」青森行き(常磐線経由)寝台電車
 20:10 急行「十和田1号」青森行き(常磐線経由)(季節列車)
 20:50 急行「十和田2号」青森行き 寝台あり
 20:51 急行「越前」福井行き(長野経由)寝台あり
 21:05 急行「鳥海」秋田行き(新津経由) 寝台あり
 21:22 急行「おが2号」秋田行き(奥羽線経由)(季節列車)
 21:40 急行「北陸2号」金沢行き(長岡経由)寝台列車
 21:40 特急「ゆうづる3号」青森行き 寝台電車
 22:00 特急「あけぼの」青森行き(奥羽線経由)寝台列車
 22:05 急行「北星」盛岡行き 寝台列車
 22:10 急行「十和田3号」青森行き 寝台列車(運休中)
 22:13 普通列車 長岡行き
 22:20 急行「津軽2号」青森行き(奥羽線経由)寝台あり
 22:30 特急「はくつる」青森行き(東北線経由)寝台電車
 22:39 急行「天の川」秋田行き(新潟経由)寝台列車
 23:00 特急「ゆうづる4号」青森行き 寝台列車
 23:05 特急「ゆうづる5号」青森行き 寝台列車
 23:06 急行「出羽」酒田行き(山形・新庄経由)
 23:15 急行「まつしま6号」仙台行き(季節列車)
 23:20 急行「佐渡5号」新潟行き
 23:21 急行「十和田4号」青森行き 寝台あり
 23:28 急行「いわて3号」盛岡行き
 23:30 急行「十和田5号」青森行き 寝台あり(季節列車)
 23:40 急行「新星」仙台行き 寝台急行
 23:47 急行「妙高4号」直江津行き(長野経由)(季節列車)
 23:50 急行「ざおう3号・ばんだい5号」山形・会津若松行き(季節列車)
 23:54 急行「あづま2号・ばんだい6号」仙台・会津若松行き(福島〜仙台は普通列車
 23:58 急行「妙高5号」直江津行き 寝台あり
  0:22 急行「信州6号」長野行き(季節列車)

 いやぁ、こうして列記してみると、すごいね。
 地平ホームと高架ホームに分かれて、とはいえ同時発車もある。
 もちろん、今はこうした列車にかわって新幹線が早朝から深夜まで狂ったような猛スピードで走り回っているわけだが、汽車旅好きとしては「昔は良かった」と思ってしまう。まぁ、大抵の人は夜行なんて時間はかかるし疲れるし…で、速くて便利で快適な新幹線の方がずっといいと思うのだろうけれど…。
 ちなみに「季節列車」というのは行楽シーズンなど多客期を中心にかなり長期間運転されるものの、閑散期には運休となる列車。
 「寝台列車」は寝台専用、「寝台あり」は座席車と寝台車の混結。
 この時刻表の当時、僕はまだ小学生だったけれど、初めて乗った夜行列車は中学1年の時に友人と一緒に乗った会津若松行きの急行「ばんだい5号」だった。

  青森行き急行「十和田」号乗車記(1985年2月25日)

(おまけ)ホッキョクグマの寝顔