さよなら、アイ&センチメンタルサイクリング

 我が家のお婆ちゃんボタンインコ、アイが天国へ旅立った。

(今年の4月、13歳の誕生日に撮影)
 13年余りの生涯のうち12年半をうちで過ごしたことになる。
 前日まで少なくとも見た目には普段通りに思えたのだが、朝になったらカゴの床にうつぶせ状態で動かなくなっていた。
 先に天国へ行ったダンナや子どもたちから「いつまでもそんな狭いカゴの中に独りでいないで早くこっちへおいで」と呼ばれていたのだろう。
 きっと天国は遠いところだろうから途中の食料として好物だったソバの実と一緒に柔らかい紙にくるんで、5年前の10月に旅立ったダンナのブルと同じ墓に埋葬。
 この12年半、朝起きたらまずインコに餌をやり、水を換えるのが日課だったが、もうその必要もなくなってしまった。
 空っぽになったケージのアイの最後の食べこぼしや糞を掃除しながら、うつろな気分になる。

 さて、気を取り直して、体育の日なので、また荒川方面にサイクリングに出かけてきた。
 9時50分に出発し、いつものように環八〜笹目通りを北上し、20キロ走った笹目橋から荒川のサイクリングロードに入る。ススキとセイタカアワダチソウが目立つ。あちこちでモズが高鳴きしている。

 彩湖では水面に見慣れない鳥。潜水と浮上を繰り返しながら、どんどん遠くへ行ってしまったのだが、カンムリカイツブリか。アイがいなくなっても、この世界にはまだまだ鳥がたくさんいるんだなぁ、と鳥の姿を目にするたびに当たり前のことを何度も思う。

 いつものように上尾市榎本牧場までやってきた。ここまで45キロ。いつも以上に人が多く、サイクリストもたくさんいる。自転車置き場も満車状態だ。みんな特製のジェラートを食べている。僕も食べた。

 ここに来るたびにポイントカードを作りますか、と聞かれ、そのたびに断っていたのだが、前回(今年の春)、初めてカードを手に入れた。でも、家に忘れてきた。
 ミニブタ販売中。価格は応相談って大体いくらぐらいなんだろう?

(この4匹はゴールデンボンバーと一緒にテレビに出演したらしい)


 榎本牧場をあとにさらに進む。桶川市北本市鴻巣市…。

 先月の大水害の時に荒川の氾濫水を被ったのか、サイクリングロードにもところどころに泥が溜まっていて走りにくい。

 田圃はほとんどが収穫を終えているが、まだ刈り入れ前の田圃もある。


 鴻巣市では河川敷にコスモスがたくさん咲いていた。



 ここで折り返してもよかったが、もう少し進む。
 気持ちよさそう。


 高く澄んだ空を見上げながら、アイは今頃どのあたりを飛んでいるかなぁ、などとおかしなことを何度も考える。小さな体で精一杯羽ばたきながら天に向かって高く高く飛んでいくアイの姿が目に浮かぶ。

 結局、熊谷駅の一つ手前の行田駅(JR高崎線)まで行って、折り返してきた。


 帰り道、ヘビが道を横断しようとしていて、近づいたら、こちらの気配を察したか、引き返して草の茂った側溝の中に頭を隠してしまった。ヤマカガシらしかった。



 いつもの場所のヤギ。

 さいたま市あたりでもう夕暮れ。

 まだまだ家は遠い。

 彩湖の夕暮れ。



 ようやく笹目橋まで戻ってきた。あと20キロ。疲れた。

 今日の走行距離は141キロ。