荒川サイクリング(前編)

 体育の日。しかも、秋晴れのお出かけ日和という予報。ということで、前日から自転車で出かけようと意気込んでいて、実際、4時には目が覚めたのだが、行き先が決まっていないので、ぐずぐずしているうちに時間が経ち、6時前にようやく出発。
 愛車と一緒に電車に乗って、ということも考えたが、それだと行き先の選択肢が多くなりすぎて、ますます決まらないし、面倒くさい気もして、完全自走で行くことにした。とりあえず荒川方面へ向かう。走りながら、やっぱり海もいいなぁ、などと考えるが、とにかく荒川をめざす。
 荒川沿いを走るのは1年ぶり。前回は12年半飼っていたボタンインコのアイが天国に旅立ち、亡骸を埋葬した朝に出かけたので、荒川の澄んだ大空を見上げながら、アイが天に向かって高く高く飛んでいく姿が目に浮かぶような気がしたものだ。それ以来、荒川の空が妙に懐かしく感じられて、また走ってみようという気持ちになったのだった。
 荒川のサイクリングロードはすでに何度も走っているが、いつも自宅を9時前後に出かけていたが、今日はまだ6時だ。従って、時間的には余裕がある。
 環八を北上し、笹目通りに入って自宅から19キロで笹目橋。ここまではまるで面白みがなく、荒川がもう少し近ければ、といつも思う。
 とにかく、荒川左岸のサイクリングロードを上流へ向かって走りだす。
 すぐに彩湖。荒川の洪水を防ぐための調節池だが、昨今は東京五輪のボート競技場問題がらみでよくニュースにも登場する。

 モズの高鳴きを聞きながら、のんびり走る。今日はゆっくり長い距離を走るのがテーマである。本格派のロードバイクに何度も追い抜かれるが、気にしない。
 彩湖を過ぎて、JR武蔵野線の橋をくぐると、さくらそう水門。ホレボレするような巨大な水門だ。

 それにしても、天気予報では晴れのはずなのに雲が多い。半分はサングラスのせいでもあるが、空が暗く感じられる。まだ夜明け直後みたいな雰囲気だが、すでに7時40分。でも、この時刻にもう荒川沿いを走っているというのが嬉しくもある。
 モズやヒヨドリ、ガビチョウ、エンマコオロギなどの声を聞きながら秋ヶ瀬公園を走り抜け、さらに北へ。
 JR川越線の踏切を越え、国道16号線の上江橋を過ぎるあたりからあたりはますますのどかな雰囲気になってくる。夏の間に茂った草が走路を狭くしている。
 いつも立ち寄る榎本牧場はまだひっそりとしていて、ジェラート売店も営業していないだろうから素通り。
 上尾市桶川市の境あたりに生えていた木。このあたりの風景は好きだったのだが、枯れて折れてしまった。ちょっとショック。

 木がまだ元気だった頃。


 すっかり川幅が狭まった荒川にかかる橋。増水時には水面下に沈む。こういう橋はいくつもある。

 モズは至るところで鳴いている。

 広大な河川敷にあるホンダエアポート


 どこまでも走っていきたくなる道。

 北本市までやってきた。注意するので、ノウサギくんに出てきてほしい。

 ダイサギ。ほかにクイナのような姿の鳥が走って草むらに逃げ込むのを見たのだが、正体は分からず。

 田圃がいい感じに色づいている。


 鴻巣市のコスモス畑。ちょうど見ごろだが、天気は相変わらず冴えない。ここまで来て、まだ10時。

 秋だというのに、まだヒバリがしきりに上空でさえずっている。


 上空からコスモスを見下ろす人たち。


 荒川左岸の海から71.2キロ地点。ここで荒川といったん別れて、行田の町へ。

 長くなりそうなので、続きは後編へ。