日本シリーズ第6戦

 福岡ソフトバンクホークスと横浜DeNAベイスターズ日本シリーズ第6戦が再び舞台を福岡に戻して行われた。ここまでホークスが3連勝の後、2連敗。ここ数年の交流戦日本シリーズの成績を見ても実力上位のパ・リーグを圧倒的な強さで優勝したホークスとしてはセ・リーグ3位のベイスターズに日本一の座を渡すわけにはいかないし、許されるのはせいぜい2敗までと僕は思っていたのだが、ちょっと雲行きが怪しくなってきた。本拠地に戻って今日こそ優勝を決めたいホークスの先発は予想された千賀ではなく東浜。ベイスターズは前回登板で10個の三振を奪って好投した今永。
 試合は2回裏に今シリーズ打撃不振のホークス松田が先制の1号ソロ。しかし、5回表にベイスターズはこの試合でラミレス監督が指名打者に抜擢した白崎が同点のソロを放つと、なおも二三塁のチャンスを作り、ホークス3番手の石川からロペスが勝ち越しの2点タイムリーを放ち、3−1と逆転に成功。今永は松田の本塁打だけにホークス打線を封じ、11奪三振
 しかし、8回裏、今永がホークス8番長谷川にこの試合チーム2本目のヒットとなる二塁打を打たれると(代走城所)、ここから継投。2番手井納が代打明石をセカンドゴロに打ち取り、一死三塁。さらに三番手砂田が柳田をピッチャーゴロに打ち取ったが、飛び出していた三塁走者を刺すことをせず、一塁へ送球。この判断ミスで三塁走者が生還してホークスが2−3と1点差に迫る。
 そして、9回、1点リードを許した状況でホークスは守護神サファテを登板させ、ベイスターズ打線を三者凡退に抑えると、その裏、ベイスターズも守護神山崎康が満を持してマウンドに上がるが、一死後、4番内川に痛恨のホームランを打たれ、3‐3の同点。そのまま試合は延長戦に突入。
 サファテは志願して10回、11回と3イニングを投げ、ベイスターズに得点を許さず、11回裏。ホークスはベイスターズ6番手のエスコバーから一死後に内川が四球を選び出塁(代走福田)。続く中村晃も四球で一死一二塁。ベイは7番手の三上をマウンドに送り、松田はサードゴロ。捕球した三塁手宮崎が三塁を踏んでから一塁に投げるが、送球が逸れて一塁セーフで併殺ならず。二死一二塁。ここで7番川島が右前打。二塁走者中村が本塁を狙うが、前進守備の梶谷が素早くバックホーム。タイミングはアウトだったが、返球が本塁手前で大きく跳ねて、捕手の頭上を越え、中村が生還。4−3の劇的なサヨナラ勝ちでホークスが日本一になる。シリーズMVPは1勝2セーブのサファテ。
 結果は4勝2敗だったが、ベイスターズの予想以上の健闘で、盛り上がった日本シリーズだった。投手陣も打撃陣もほぼ互角だったが、守備力、走力ではホークスが上だったし、ここぞという時に大きなミスの出なかったホークスと、ミスが目立ったベイスターズの差が勝敗を分けた。まぁ、順当な結末ではある。
 それでもベイスターズは伸びしろが十分にある若い選手が多いので、このポストシーズンの激闘の経験を糧にして、この先、さらに強くなりそうだ。来年はカープベイスターズの優勝争いか。