ディープインパクト死す

 日本競馬界の至宝・ディープインパクトが今朝、繋養先の社台スタリオンステーションで世を去った。まだ17歳。早すぎる死。

 ディープは3月に首を痛めて、今年の種付けを中断し、来シーズンに向けて療養していた。そして、今月28日には頸部の手術を受け、術後の状態も安定していたという。ところが、29日に突然、起立不能となり、30日の早朝にレントゲン検査の結果、頚椎の骨折が判明。回復の見込みがないと診断され、苦痛から解放するために安楽死の処置がとられた。

 ディープインパクトは2002年3月25日生まれ。2004年12月にデビューすると、武豊騎手を背に後方待機からレース終盤に飛ぶように加速して馬群を一気に抜き去るレーススタイルを確立。小柄な馬ながら、圧倒的な強さで2005年のクラシック三冠を無敗のまま制した。その年の有馬記念で初黒星を喫したものの、その後も勝ち星を積み重ね、2006年の有馬記念で有終の美を飾るまで通算14戦12勝。そのうちG1レースで7勝をあげている。

 引退後も種牡馬として素晴らしい結果を出し、2012年から18年まで7年連続でリーディングサイヤーに輝いている。今年の首位も間違いないだろう。産駒からキズナなど5頭のダービー馬や三冠牝馬ジェンティルドンナなど多数の活躍馬を輩出し、産駒の中央競馬におけるG1勝利数は51勝にもなる。今年も桜花賞オークス、ダービーをディープの子供たちが制し、昨年は日本とフランスでディープの子がダービー馬になるなど、その血統は海外にも広がり、まさに日本競馬界の最高傑作といえる1頭だった。
 来春誕生するはずの20頭ほどが最後の世代となる。

 

 競走馬としても種牡馬としても歴史に残る名馬となったディープインパクト。最後は1回の種付け料が4000万円ともいわれ、莫大な利益を生み出す経済動物としてずっと頑張り続けたわけだが、そうした役目から解放されて、天国で楽しく走り回ってほしい。

 

 伝説となったデビュー2戦目・若駒ステークス


【競馬】 ディープインパクト 若駒S.avi

 

 ラストレースとなった2006年の有馬記念。4コーナーで一気に上がっていく姿がカッコよすぎる! 


2006 有馬記念