STELLA LEE JONES ライブ

 新型コロナウイルスの「東京アラート」とやらが先日解除されたが、今日は都内で新たに確認された感染者が47人に増え、ちょっと多いな、という気になる。そんななか、吉祥寺のライブハウスSilver ElephantでSTELLA LEE JONESのライブが行われた。前回2月のライブで予告された通りだったが、会場に客を入れてのライブができるはずもなく、無観客有料配信ライブとなった。いわゆる三密を避けるという観点からライブハウスで満員の観客の前で演奏するということが当面は不可能となる中で、配信ライブとはどういうものなのか、実際に体験してみた。

 事前に料金(3,000円)を払い、本日18時から配信スタート。これがライブハウスの開場にあたる。実際にはそれより数分早く始まっていたようだが、メンバーの静止画像をバックにステラの2ndアルバムの曲が流れている。

f:id:peepooblue:20200614224329j:plain

 そして、18時30分の開演予定時刻より2分ほど遅れて、曲と静止画像が消え、いったん画面が暗くなった後、現地の画像に切り替わると、すでにメンバーがステージにスタンバイしていて、すぐに1曲目「Russians」が始まった。


STELLA LEE JONES Russians

 複数のカメラで撮影しているので、いろいろな角度から見られるのが実際の現場にいるのとは違う点。もちろん、同時に複数の映像が存在する中で、配信スタッフが選択した映像をみることになるわけで、たとえばギタリストをみたいときに画面には別のメンバーが映っていたり、ということは当然ある。音的には現場で音の塊が押し寄せてくるような迫力はない代わりに、各楽器の音が分離して、すっきりとしたサウンド。聴きやすいといえば、非常に聴きやすい。自分が観たライブがレコーディングされ作品化されたのを聴く時に感じるような差異はやはりある。

f:id:peepooblue:20200615070007j:plain

 ライブを見ながら、コメントを書き込めるのも配信ならではで、海外でこのライブを見ている外国人も数名。フィリピンの人。

f:id:peepooblue:20200614221056j:plain

    1.Russians

 2. Salar de Uyuni

    3. Synapse

    4. August Showers


AUGUST SHOWERS [ HD ] STELLA LEE JONES

 4曲やったところで、最初のMC。リーダーの平田さんがマイクを握ると、相変わらずのグダグダトークが始まる。演奏のすごさとのこの落差こそステラのライブの大きな魅力である、と個人的には思う。

f:id:peepooblue:20200614233803j:plain

  5. Jigsaw Cats

  6. The Winter Song


" Jigsaw Cats " STELLA LEE JONES

 ところで、今回のライブではベースが初参加の細谷紀彰さん。バークリーで学び、ドイツでも活動していたジャズ系のベーシストらしい。まだ若く見えるが、今年で38歳とのこと。

 今回のゲスト参加にあたって、大量の譜面が送られてきたといい、「見てください、このデカい譜面台」とカメラに向かって譜面台の大きさをアピール。確かに幅が通常の2倍ぐらいありそうに見える。ゲストで呼ばれて、ステラの曲をマスターするのがいかに大変か、というのは過去のゲストミュージシャンがみんな口にすることだ。本当に大変なのだろうな、と思う。

「ある意味、自粛期間中で良かった。ここにいる誰よりもステラの音源を聴きました」とのこと。そこまでやってライブ1回きりでは割に合わないのか、今後も参加したいようだった。ところで、本来のベースの佐野氏はどうしたのか。やめたのか?

 7. MEMAI 2 (演奏難度の高さでステラ四天王と呼ばれる楽曲のひとつだとか)

 ここでぴったり1時間。15分休憩。静止画像とともに、またステラのアルバムの曲が流れる。

f:id:peepooblue:20200614225728j:plain

 後半はヨーロッパの古い映画のサントラのような「Jean Pierre」からスタート。

  8. Jean Pierre

  9. Water Line

   現時点での最新曲「Water Line」は前回のライブが初演だったが、平田氏が作曲した当初はあまりに複雑すぎて、ほとんど演奏不能な曲だったようだ。それをメンバーの努力によってなんとか演奏できるレベルにまですっきりさせたそうだ。

 細谷氏は大変な曲ばかりなので、最初、1音でもミスをすると、何か物が飛んでくるようなバンドなのかと思っていたそうだが、最初のリハーサルに参加してみたら、予想外に和気あいあいとしたバンドだったとのこと。ヴァイオリンの入山さん曰く「ゆるふわバンド」だというが、もちろん「ゆるふわ」なのは演奏の合間だけである。後半に入って、トークのグダグダ具合が増している。

 次の曲紹介を英語とドイツ語でお願いします、と平田氏に無茶振りされた細谷氏は「そんな余裕ないですよ。演奏に集中させてください」。

   10.Kagerou

   11. Parallel Railways


STELLA LEE JONES Kagerou

 

 ゲストベーシストの細谷紀彰。6弦だね。

f:id:peepooblue:20200614231243j:plain

 12.Mirror

 13.Tokyo Fantasista

 14.Clouds

 (encore)

 15.The 15th Warriors


The 15th Warriors STELLA LEE JONES

 終演は21時05分だった。全員がカメラに向かって手を振って、おしまい。いつもとは違う配信という形のライブだったが、堪能した。

 

  STELLA LEE JONES

  平田聡 ギター

 入山ひとみ ヴァイオリン

 佐々木絵実 アコーディオン

 佐藤真也 ピアノ、キーボード

 谷本朋翼 ドラムス

  (ゲスト)

 相川瞳 パーカッション&ヴィブラフォン

 細谷紀彰 ベース

 

 この配信、録画放送が6月28日まで見られるとのこと。有料だけど。Stella Lee Jonesの公式サイトから。