今日は吉祥寺のライヴハウス、シルバーエレファントでステラ・リー・ジョーンズのライヴ。現在活動している日本のバンドの中でも一番好きといってもいいぐらいのバンド。もちろん、無数に存在するバンドの中のごく狭い範囲で語っているわけだが…。
夕方、吉祥寺に向かうべく下高井戸駅から京王線に乗ろうとしたら駅横の踏切をふさぐように電車がとまっていた。その手前には警察官が立っている。事故なのは明らかで、下高井戸駅構内で人身事故。先頭に近い車両(新宿寄り)付近にレスキュー隊がいるのが見える。というわけで京王線は運転見合わせで当分動きそうにないので、井の頭線との乗り換え駅・明大前まで一駅歩く。途中の踏切も遮断機が閉まったままで、車が渋滞していた。
さて、吉祥寺で早めの夕食を済ませ、シルバーエレファントへ。
18時開場。小さなお店なので、満員の盛況。本日はステラの待望の2ndアルバム「Escape From Reality」の発売記念ライヴで、会場で先行発売されていたので、早速ゲット(一般発売は11月16日)。前作とはジャケットの印象がガラッと変わって、でもステラの音楽のイメージがみごとにヴィジュアル化されている。京都在住の人気イラストレーター、ナカガワ暢さんの作品である。
エスケイプ・フロム・リアリティ(Escape From Reality)
- アーティスト: ステラ・リー・ジョーンズ(STELLA LEE JONES)
- 出版社/メーカー: DIZZINESS RECORDS
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: CD
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STELLA LEE JONES
平田聡 guitar
佐藤真也 piano,keyboard
入山ひとみ violin
佐々木絵実 accordion
佐野俊介 bass
谷本朋翼 drums
(guest)
多鹿大介 percussions
ロックバンドとしてはかなり特異な楽器編成で、大抵の人にとっては、ヴォーカルがいない、歌がない、という時点ですでに普通ではないのだろうけれど、メンバーによる紹介文によると、その音楽性はこんな感じ。
「パット・メセニー、坂本龍一、バッハ、ヘンリー・マンシーニ、フランシス・レイ、スティーブ・ライヒ、ラベル、ドビュッシー、レッド・ツェッぺリン、マイルス・デイビス等、ジャズ、映画音楽、近代クラシック、ロック等から影響を受け、それらを融合したバンドです。
往年のフランス映画のような哀愁を漂わせるメロディーに、複雑に幾重にも折り重なり反復されるリズム。それでいて人の心を捉える音楽。これこそがステラ・リー・ジョーンズの真骨頂だと考えています」
うん、すごく納得できる。
さて、18時半の開演時刻より5分ほど遅れてメンバー登場。今日の入山さんはメタリックパープルのエレクトリックヴァイオリンだ。
1曲目のThe 15th WarriorsからSalar de Uyuni、Jigsaw Catと新作の1〜3曲目を続けて演奏。すでにライヴではおなじみの曲だが、何度聴いても演奏するのが難しそうな曲が多い。ゲストパーカッショニストの多鹿(たしか)さんも「今までで1、2を争う大変さ」だったとのこと。他のメンバーはこの先も何度も演奏するわけだからいいけれど、彼はとりあえず今日だけのためにやたらに複雑で難しい曲をマスターしなければならなかったわけだ。しかも、このバンドのパーカッションは使用する楽器も多く、とにかく忙しいのだ。
アルバムのレコーディングも難航を極めたという。だから、難解な音楽か、というと、そんなことはない。やっぱりいいなぁ、と素直に思ってしまう。この至福の時間がいつまでも続いてほしい。何はともあれ、ライヴでしか聴けなかった楽曲がこれからはいつでも聴ける、という事実が嬉しい。
「夢の境界線」は3部構成で、中間パートでは入山嬢がヴァイオリン7重奏をひとりで録音したといい、当然、ライヴでは再現不可能なので割愛して演奏された。
ライヴは途中休憩をはさんで2部構成。シリアスな曲からファンキーなロックチューン、夢みるように美しい曲まで次々と演奏される一方、合間のMCではリーダーの平田さんが何か喋るたびに他のメンバーから厳しく突っ込まれたり、説教されたり、という毎度おなじみの展開。この演奏と曲間トークの激しい落差もステラのライヴの魅力となっている。
終演は21時過ぎ。本編のラストはヨーロピア〜ンな雰囲気がたまらないThe Winter Song。アンコールは1stからSynapse〜Parallel Railwaysだった。
次回は来年1月28日、横浜にて。