カーリング日本選手権・決勝

 北海道稚内市のみどりスポーツパークで開催中の第38回カーリング日本選手権。今日は男女の決勝戦が行われた。

 まず午前10時から男子決勝。3連覇をめざすコンサドーレに挑むのは北海道・常呂高校の4人組・常呂ジュニア。これが3度目の対戦で、過去1勝1敗。

 常呂ジュニアは優勝を争うのにふさわしい堂々たる戦いぶりで、コンサドーレと互角に渡り合い、4-5とリードされた第7エンドでは一挙3点のビッグエンドとして7-5と逆転に成功。しかし、やはり地力に勝るコンサドーレは第8エンドに3点を奪い返して再逆転。そのまま試合の流れを相手に渡すことなく、9-7で勝利。3連覇を達成し、北京五輪、日本代表の権利を手中におさめた。4月にカナダで開催予定の世界選手権で上位6位以内に入れば、五輪出場決定となるが、カナダの世界選手権が無事に開催されるかどうかが問題。昨年は男女とも中止になり、女子の世界選手権は今年も中止になってしまったので、まだ安心はできない。

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(優勝したコンサドーレ。左から谷田康真、阿部晋也、松村雄太、清水徹郎、相田晃輔)

 それにしても、常呂ジュニアの高校生たちの見事な戦いぶりは今大会の中でも鮮烈な印象を残した。最後、優勝には手が届かなかったが、心から拍手を送りたい。彼らが頂点に立つ日もそう遠くはないだろう。

 男子結果 

  優勝  コンサドーレ

  準優勝 常呂ジュニア

  3位  TM軽井沢

 

 そして、15時半からは女子の決勝。連覇をめざすロコ・ソラーレ北海道銀行が対戦。こちらも序盤から接戦となり、第8エンドを終えて5-5の同点。第9エンドはロコ・ソラーレが有利な後攻。しかし、このような接戦の場合、最終10エンドに後攻を取ったほうが断然有利になる。そこで、ロコ・ソラーレは9エンドは無得点のブランクエンドとして、10エンドで引き続き後攻を取りたい。一方、北海道銀行としては9エンドでロコに1点取らせて、10エンドで2点以上取って逆転勝ちを目論む。

 結果、9エンドで北海道銀行ロコ・ソラーレに1点取らせることに成功し、5-6と1点リードされた状態で最終エンドへ。ロコ・ソラーレとしては相手に1点取らせて同点に追いつかれても、延長になれば有利な後攻となり、勝利が見えてくる。2点目は与えない作戦に出る。北海道銀行は2得点を狙う。激しい攻防が繰り広げられたが、北海道銀行がナンバー1・2をキープして、ロコ・ソラーレのスキップ藤澤五月のラストショット。ここでナンバー1を奪いに行ったが、今日の藤澤はやや精度が欠けていて、このラストショットもミスとなって、ロコ・ソラーレの得点の可能性が消え、北海道銀行・吉村紗也香のラストショットを残して、コンシード。試合終了となり、北海道銀行が7-6で逆転勝ちし、日本一の座に輝いた。ロコ・ソラーレが優勝を逃したのは、世間的にはまさかの結果だったかもしれないが、やはり、いろいろなチームが優勝する方が全体として盛り上がる。よい大会だったと思う。個人的には中部電力を応援していたのだけど・・・。

 

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(優勝した北海道銀行。左から伊藤彩未、船山弓枝近江谷杏菜小野寺佳歩、吉村紗也香)

 とにかく、ロコ・ソラーレが優勝なら北京五輪の代表に決定だったが、北海道銀行が優勝したことで、恐らく秋に行われる代表決定戦に持ち越されることになった。その前に日本が五輪への出場枠をとれるかどうかは、中止になった世界選手権の代替大会での成績次第であり、そこには北海道銀行が日本代表として出場することになる。頑張ってほしい。

 

 女子結果

  優勝  北海道銀行

  準優勝 ロコ・ソラーレ

  3位  中部電力