日本カーリング選手権2024決勝

 1月28日から札幌市どうぎんカーリングスタジアムで行われた日本カーリング選手権。きょうはいよいよ男女の決勝戦

 まずは10時から男子。予選リーグ1位のコンサドーレと3位から勝ち上がったSC軽井沢クラブの対戦。ここまで無敗のコンサドーレが3大会ぶりの優勝か、それともSC軽井沢が3連覇を達成するか。激戦が期待されたが、2エンドにSCが1点を取った後、3エンドにコンサドーレが2得点で逆転。さらに4エンドにSCのミスに乗じてコンサドーレが一気に3点を奪って5-1。5エンドにも1点スチールで6ー1。前半で思わぬ大差がつく。6、7エンドにSCは1点ずつ返して3-6としたが、コンサドーレが8、9エンドに1点ずつ奪って8-3。  5点差で迎えた最終エンドはコンサドーレがSCの石を着実に弾き出して、SCに5得点の可能性が消えた時点で試合終了。決勝としてはやや薄味な試合だった。

 

 SC軽井沢  010001100× 
 コンサドーレ 002310011× 

 

 コンサドーレは2019~21年に3連覇した後、主力2名が相次いで退団。残った阿部晋也と清水徹郎が若手2名を加えてチームを再建し、3大会ぶりの日本一となり、3月30日からスイスで開催される世界選手権の日本代表に選ばれ、また2026年ミラノ五輪の代表選考レースでも一歩リード。

左から敦賀信人(コーチ、リザーブ)、清水徹郎(スキップ)、阿部晋也(サード)、大内遥斗(セカンド)、敦賀爽太(リード)

 

 14時半からは女子決勝。予選1位の北海道銀行と3位から劇的すぎる逆転勝ちで昨日の準決勝を勝ち抜いたSC軽井沢クラブの試合。2022年世界ジュニア選手権で金メダルに輝いたメンバーのうち、上野姉妹がSCに、スキップの山本冴が北海道銀行に在籍していて、決勝の舞台で対戦するというのも感慨深い。

 こちらは男子決勝と違って、最後の瞬間までどちらが勝つか分からない、息詰まるような激戦となった。

 1エンドは両チーム無得点のブランクとなり、2エンド。先攻SCのフォース上野美優が絶妙のドローをぴたりと決めてNo.1を作ると、道銀のフォース田畑百葉のラストショットがミスとなり、SC軽井沢が1点をスチール。3エンドは再びブランクの後、4エンドでは後攻の道銀がNo.1をもっての田畑のラストショット。絶妙のドローで2点目。さらに5エンドにも1点スチールで北海道銀行が3-1とリードして前半終了。両チームとも大きなミスはなく、しかも、好ショットが次々と出て、決勝戦に相応しいハイレベルな試合。こうなると、最終10エンドでどちらが有利な後攻を取れるか、という駆け引きも重要になってくる。

 6エンドに後攻のSC軽井沢が2点を取って同点に追いつく。偶数エンドで後攻なのは理想の展開だが、続く7エンドはブランクとなり、8エンドも北海道銀行が後攻。ここで複数得点をしたかったが、1点止まり。9エンド、後攻のSC軽井沢は3点以上を狙うが、それが難しくなると、作戦を切り替え、ブランクに。こうして10エンドも3-4と1点リードされたSCが後攻。SCが先に有利な形を作るが、北海道銀行も形勢逆転を狙う。息詰まるような展開となるが、北海道銀行・田畑のラストショットでNo.1を取ることができず、SCがNo.1を持った状態で、上野のラストショット。ぽっかり開いたハウスの中心にドローを決めれば2点という場面。上野の投じたストーンは少し速い。ハウスの中心を過ぎて止まったところが実に微妙な位置だったが、辛うじてNo.2。この瞬間、SC軽井沢クラブの5-4での逆転勝利が決まり、日本選手権初優勝が決まった。いま世界で戦う姿を一番見てみたいと思うのが、SC軽井沢だったので、この結果は素直に嬉しい。ほかにも勝たせてあげたいチームはいろいろあったが、みんなが勝てるわけではないのがスポーツというものだ。

 うれし涙のSC軽井沢、悔し涙の北海道銀行。終了後の両チームの涙も感動的だった。

 

 SC軽井沢 0100020002 

 北海道銀行 0002100100 

 

 北海道銀行の田畑、仁平、中島の3人とSCの上野(結)はこの後、21歳以下の世界ジュニア選手権に日本代表として出場し、日本勢として3年連続のメダル獲得に挑む。そして、SC軽井沢はカナダで来月16日開幕の世界選手権に日本代表として出場する。

(左からスキップ上野美優、サード金井亜翠香、セカンド西室淳子、リード上野結生、リザーブ両川萌音)

(左からフォース田畑百葉、サードスキップ仁平美来、セカンド山本冴、リード中島未琴、リザーブ伊藤彩未)

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