白い花が好きらしい

 春先からずっと咲き続けているノースポール。だいぶ大きな株に成長した。

 この花によく集まってくる小さな虫。

 なぜかノースポールの花でよく見るこの小さな虫の存在にはずっと前から気づいていたが、特に気にすることもなかった。

 この虫の正体について初めて知ったのは高校の美術部を舞台にしたマンガ『スケッチブック』(小箱とたん作)の第12巻(2016年)でだった。

 ヒメマルカツオブシムシ

 

 

 登場人物はほとんど女子高生ばかりなのに、マニアックすぎる生き物ネタがやたらに多くて、ここでも生き物好きの高2女子・栗原渚が後輩・梶原空を相手にこの虫について説明していたのだった。空はヒメマルカツオブシムシという虫の名前を聞いて、まずお姫様を思い浮かべ(ヒメ)、それが丸々と太っていて(マル)、頭が鰹節の形をしていて(カツオブシ)、手足が6本(ムシ)とそのイメージが変容していき、「見たことない」とつぶやく、というネタ。

 それはともかく、僕が「へえ」と思ったのは、栗原先輩の説明により、この体長3ミリほどの甲虫の幼虫が衣類などに穴をあける害虫だと知ったからだった。成虫はノースポールやマーガレットなどキク科の白い花に集まる傾向があり、洗濯物の白いシーツやシャツなどにもやってきて、そのまま室内に取り込まれ、衣類や絨毯などに害を与えるらしい。花についているだけなら特に問題はないが、家の中に招き入れないように注意しなければならない。

 小さくて丸くて鰹節が好きなので、ヒメマルカツオブシムシということだが、鰹節は家で削るのが当たり前だった頃、よく虫がついたと母が言っていた虫の正体もこいつらか? カツオブシムシなどという名前がつくぐらいだから、きっとそうなんだろう。

 

(きょうの1曲)清浦夏実/風さがし


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