江ノ島散策(2)

 昨日(6月19日)、江ノ島に出かけた話の続き。

 昼食後、湘南港のヨットハーバーの前の聖天島を見物。この小さな岩山は昔は江ノ島とは別の島だったのが、関東大震災の時に地盤が隆起して陸続きとなり、さらに昭和の東京オリンピックの時に周辺が埋め立てられ、現在の姿になったという。昨年のオリンピックでも江ノ島はヨット競技の会場になったが、僕は大会期間中をほぼ病院で過ごしたので、あまり覚えていない。というより、昨年の東京オリンピックは本当にあったのか?といった感じである。

 とにかく、聖天島も地層が露出して、なかなか興味深い。ただ、防護フェンスで囲まれてしまって、ちょっと残念な姿になっている。

 ここの地層は江ノ島本体の葉山層群とは明らかに違って、それより新しい1200万年前~300万年前に海底で堆積した三浦層群である。葉山層群が一度隆起した後、再び海に沈み、海底となったその上に堆積したもので、砂岩や泥岩にスコリアや軽石、火山灰などの火山噴出物を含んでいる。当時は富士山も箱根火山も誕生する前なので、やはりかつて火山島だった丹沢あたりの噴出物なのだろう。丹沢が日本列島に衝突を開始したのがおよそ500万年前のことだから、三浦層群も葉山層群と同様に南の海で堆積し、列島に付加した地層である。聖天島は厚さが2000メートルほどの三浦層群の中でも新しい池子層と考えられていたが、より古い逗子層の可能性もあるとのこと。いずれにしても、数百万年前の地層である。

 先日、千葉県の小湊鉄道沿線で見た上総層群は三浦層群より若い地層で、横浜あたりでは三浦層群の上に上総層群が載っている。

 

 さて、聖天島の地層をじっくり眺めているのは僕だけだったが、島の周囲を埋め立てて生まれたヨットハーバーではハーバーフェスティバルというのが開催されていて、賑わっていた。ここの敷地内に立ち入るのは初めてだ。

 先端部には海水を引き込んだタイドプールがあり、子どもたちがカニなどを捕まえて遊んでいる。

 海上にはたくさんのヨットが浮かんでいる。

 対岸を走る江ノ電。だんだん青空が広がって、海も青くなってきた。

 港には海上保安庁の船もいる。

 湘南港をあとに島の入口に戻る。どこへ行っても、人、人、人・・・なので、江ノ島はもういいか、という気分になる。

 ちょうど干潮で、本土と島が陸続きになっていたので、橋ではなく、砂の道を歩いて片瀬海岸へ戻る。江ノ島は陸繋島であり、このような砂の道はトンボロと呼ばれる。

 こんな風に橋を使わずに渡るのは初めてかもしれない。だんだん潮が満ちてきて、トンボロが狭くなってきているようだ。完全に水没するまでずっと見ていたいなぁ、とも思ったが、やめる。

 片瀬海岸から腰越方面へ。どこも観光客が多くて、その上空をトビの群れが飛び回っている。時折、食べ物を狙って急降下。

 腰越漁港。

 腰越漁港の崖。ここも三浦層群。見事な地層である。

 崖の上は小動(こゆるぎ)神社。

 小動神社。

 小動岬の展望台より。

 若い男女4人組にカメラのシャッターを頼まれた。懐かしい使い捨てカメラ「写るんです」だ。若い彼らにしてみれば、スマホではないところにも意味があるのだろう。

 江ノ電鎌倉高校前駅まで歩く。撮影スポットとして有名な踏切には今日もたくさんの人が来ていて、中国語も聞こえた。

 こちらは人が少ない個人的撮影スポット。

 このあたりは随所で地層観察ができる。

 あと一回つづく。