- 作者: 中村弦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/04/27
- メディア: 文庫
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しかし、その後、平間は身辺整理を済ませた上で突然、失踪してしまう。その直前、牧村は平間からこんな伝説を聞いていた。
「日本のどこかにまだ誰にも知られていない、まぼろしの廃線跡がある。それを見つけて始発駅から終着駅までたどれば、ある奇跡が起こる」
平間がこの廃線跡の所在をつかみ、訪ねて行ったのではないか、と考えた牧村は、平間から紹介されていた旅行代理店に勤める鉄道マニアの女性・菜月を訪ね、彼女とともに平間の行方を調べ始める。「まぼろしの廃線跡」とはどこにあるのか、そこで一体どんな奇跡が起こるというのか。ストーリーはこのあたりからミステリーっぽくなってくるわけだが、さらには『銀河鉄道の夜』を思わせるようなファンタジーの要素も色濃くなってくるので、その辺がちょっと評価が分かれそうではある。