七尾与史『山手線探偵3〜まわる各駅停車と消えた妖精の謎』

 シリーズ第三作にして完結編。
 山手線車内を事務所代わりに利用する探偵・霧村雨と助手の小学6年生シホ、自称ミステリ作家の三木幹夫(ミキミキ)は今日も山手線でぐるぐると都内を回っている。
 今回、まず明らかになったのはシホが雨の助手になるきっかけとなった事件。シホが山手線車内で目撃したという身長10センチほどの“おっさんの妖精”の謎を解いてくれるように雨に依頼したのだった。
 謎の解明はこれまで全く進まなかったのだが、雨たちのもとに持ち込まれた少女誘拐事件が糸口になって、謎が謎を呼ぶように事態は大きく動き出す。
 おっさんの妖精は本当に存在するのか、それは何者なのか。荒唐無稽といえばそうなのだが、物語は思わぬスケールで展開していく。
 過去2作を読んだので、これも読まないといけないな、と思い、購入したのだが、まぁ、面白かった。