今月3日から7日まで一般公開された皇居内の乾通りを歩いてきた。大きく報道されたこともあり、大混雑が予想されたが、やはりすごい人出だった。たくさんの警察官が整理にあたり、手荷物検査、ボディーチェックもあるため、かなり待たされる。
(長蛇の列!)
(現在は皇居への通用門的な位置づけの坂下門)
幕末の1862年に江戸幕府の公武合体策による和宮降嫁に憤激した尊皇派の志士に老中安藤信正が襲撃された坂下門外の変の現場である坂下門をくぐり、皇居内へ。
左へ行く坂道は一般参賀の時のルートらしい。
乾通りは坂下門から乾門へ通じる750メートルほどの道。乾(いぬい)は十二支の戌亥であり、江戸城本丸の北西に位置することからの命名。
宮内庁庁舎。
江戸城の南西(=辰巳の方角)にあたる辰巳櫓。江戸城の面影を今に伝える建築物。
皇居内へ立ち入るのは今回が初めてで、やはり厳かな気分にはなる。
皇居の奥へ通じる道。当然、一般人は立入禁止。
乾通りに沿って、美しい紅葉が続く。とりわけ綺麗な木のまわりで、みんな立ち止まり、写真を撮りまくるわけだが、あとからあとから人が続々と押し寄せてくるので、警察官が「この先にも紅葉がきれいな木はたくさんあります。写真は1、2枚にして先へお進みください」と叫んでいる。
乾通りの右手の蓮池濠を挟んだ対岸の石垣の上は常時公開されている皇居東御苑。旧江戸城の本丸跡。石垣の上に見えるのは富士見櫓。武器庫を兼ねた防御施設。
蓮池濠はその名の通り、蓮が植えられ、今は枯れた蓮の葉などに覆われて水面は見えない。
門の向こうは禁域。
蓮池濠。
通りの左手に道灌濠が見えてきた。旧江戸城の濠の中でも自然豊かな道灌濠。自分のホームページに皇居のお濠探訪記を載せている者としては、初めてこの濠を目にすることができたのは一番の収穫。
まさに東京のど真ん中にある秘境。
ひときわ鮮やかなのはトウカエデ。
吹上御所へ通じる門。普段は開いているそうだが、今日は一般人が入場しているので閉じられている。
蓮池濠。
乾濠。本丸の北西側を囲む濠。
ここでルートは二つに分かれ、どちらかを選ばねばならない。蓮池濠と乾濠の間の土手を通り、坂を登って西桔橋(にしはねばし)門から東御苑へ抜けるか、そのまま乾通りを北上して乾門から出るか。とりあえず、乾門へ向かうことにする。
その乾門が見えてきた。
門から出て、これで乾通り散策は終了。
門外に出ても紅葉はきれい。
続いて北桔橋門から東御苑へ。この橋は西桔橋門とともに昔は敵が攻めてきた時は跳ね上げられるように可動式になっていた。
門前から見た乾濠と乾通りの人の列。
汐見坂から見た白鳥濠。
昭和天皇のご発案により武蔵野の自然を再現した雑木林。
旧江戸城二の丸庭園の池。
今上陛下のご発案によりインドネシアのヒレナガゴイとニシキゴイを交配させたヒレナガニシキゴイ。
東御苑の紅葉。
平川門から外へ出て、今度は北の丸公園へ。
この公園には気象観測施設があり、今月2日から気象庁が発表する「東京」の気象データはこの場所での観測値が使われるようになった。それまでは大手町の気象庁敷地内での観測値。ビル街の大手町に比べて林に囲まれた北の丸公園はたとえば最低気温の年平均が1.4℃低いという。
(北の丸公園露場)
周囲より高く土を盛り芝生で覆われた台上に気温、湿度、気圧、降水量、感雨(降水の有無)、積雪の深さを観測する設備が置かれてる。
この後、九段下駅から地下鉄半蔵門線で清澄白河駅へ移動し、清澄庭園へ行ったのだが、それはまた明日。