アジアゾウのはな子

 今日の東京は最高気温が29.3℃と真夏日一歩手前の暑さ。昼は今年初めて冷やし中華を食べる。
 北海道の道東地方の内陸部ではここ数日、30℃を超える真夏のような暑さが続いているようだ。北海道の場合、暑くても、本州のまとわりつくような暑さとは違って、日陰に入ると意外に涼しかったりするのだが、その日陰があまりない。僕の夏の北海道旅行の記憶ではそういう印象。
 今日の東京の暑さも日蔭では意外に爽やかに感じた。

 さて、今日の写真は井の頭自然文化園アジアゾウ、はな子。69歳。
 コンクリートに囲まれた環境で、たったひとりで過ごしているのは可哀そうだ、という声が昨年、海外からあがったりして、はな子を巡る環境が騒がしくなった中で、新聞などでも報道されているように、このところ、すっかり引きこもり生活に入ってしまった。
 事の発端は運動場に出ているはな子に飼育員が餌を与える際に思わぬ事故が起こらないよう、両者を隔てる安全柵を設置したことだった。工事は3月14〜15日に行われたが、それ以後、非常に警戒心の強いはな子が運動場に出なくなってしまったのだ。柵はすぐに撤去されたが、引きこもりは続き、すでに2か月以上。

 ここまでは出てくるのだが、ここからあと一歩が踏み出せずに、はや2か月。


 もっと環境に恵まれ、仲間もいる場所へ移動させたら、という声もあるが、高齢のはな子には負担が大きすぎ、今となっては住み慣れた井の頭で余生を過ごすのが一番という判断のようだ。


 しわに埋もれそうな小さな瞳に映るものは?


 最近は、はな子に会うたびに、動物園という存在についていろいろと考えさせられる。
 こんな風にまた日差しの中に出てくる日が来るのだろうか。写真は今年1月。