さようなら、はな子

 4日前にこのブログで取り上げたばかりだが、井の頭自然文化園の国内最高齢のゾウ、はな子が今日15時04分に死亡した。69歳。
 1947年にタイで生まれ、1949年9月に推定2歳半で日本へやってきた。戦争で動物園のゾウがいなくなった日本の子どもたちの「またゾウが見たい」という声に応えての来日だった。
 1954年に上野動物園から井の頭自然文化園にやってきて、それ以来、ずっと井の頭で過ごしていた。
 公式発表によると、朝8時半にゾウ舎内で、はな子が横臥しているのが発見され(夜間の監視ビデオによると1時25分頃から横になっていたそうだ)、横臥したままだと内臓が圧迫され死亡する恐れがあるので、飼育スタッフが多摩や上野のスタッフの応援も得て、はな子を立たせようとしたらしいが、15時04分に死亡が確認されたとのこと。苦しむようなことはなく、安らかな最期だったそうだ。
 僕は幼いころから井の頭には数えきれないぐらいの回数、出かけていて、いつもはな子を見てきたわけだが、最近の年老いて、運動場でひとりたたずむはな子の姿を見るのは正直なところ、ちょっと辛いものもあった。会うたびにこれが最後になるかもしれない、ということを考えたのも確かだ。
 今年の春からは体調を崩していたり、またはな子はもう視力を失いつつあるのかもしれないという話があったりもしたから、今は苦しみとか不安とかいろいろなものから解放されて、ようやく安らかな時間を手に入れることができたのかもしれない。大往生。そう考えることにしよう。
 長い間、ありがとう。そして、さようなら、はな子。
 

(先週末のはな子)

(昨年10月のはな子)