英国、EU離脱へ

 世界中が注目していたイギリスのEU(ヨーロッパ連合)離脱の賛否を問う国民投票。現地時間の23日に行われ、即日開票された。
 投票直前になって残留派の優勢が伝えられたりして、結局、EUに残るのだろうと思っていたのだが、結果は僅差ながら離脱派が勝利。世界中が衝撃に見舞われ、日本でも日経平均株価が大幅に下落したり、円が急騰して2年7ヶ月ぶりに1ドル=99円台に突入したり。このままではアベノミクスも吹っ飛びかねない。安倍政権にとっても打撃だろう。安倍さんが伊勢志摩サミット前に訪英した際にEUから離脱すべきでないと演説して、英国民の反感を買い、かえって離脱側へ英世論を押しやった、なんていう見方もあるようだが…。まぁ、そういうことがあったとしても日本の首相の影響力なんて微々たるものだろうけれど。
 もともとヨーロッパ統合の動きは国際経済社会においてアメリカや日本に対抗するにはヨーロッパ諸国が一体になる必要があるというヨーロッパ・ナショナリズムが作用していたと思うのだが、最近の移民流入問題がこのヨーロッパ・ナショナリズムを揺るがし、今回の事態に至ったということだろう。ほかの国でもEU離脱を求める声が出始めており、ヨーロッパの団結より各国の事情を優先する傾向が強まって、EU崩壊の第一歩となりかねない。
 EU残留を主張していたキャメロン英首相は辞意を表明。イギリスが実際に離脱に突き進めば、英国内ではEU残留・ユーロ圏加入を求めるスコットランドの独立問題が再燃する可能性もある。国論が真っ二つに割れて、英国の存在そのものが揺らいでしまいかねない。
 グローバリズムに覆われた世界だが、こうした反グローバリズムの動きも今後世界各地でますます強まるのだろう。
 英国ショックが短期的なものに終わるのか、世界史の転換点になるのか、今回の英国民の決断は将来的にもけっこう重大な意味を持つことになるのかもしれない。
 この流れで行けば、秋には米国でトランプ大統領誕生?!

(おまけ)アカカンガルー
 カンガルーの母親。袋の中に子どもがいるが、袋の締りが悪くて、ガムテープで補修している。