ジャパンブリーディングホースショー

 今日も東京は晴れて、都心の最高気温が19.7℃と10月下旬並みの暖かさ。郊外では20℃を超えた地点もあり、体を動かすと暑く感じるほどだった。しかし、もう12月の中旬にさしかかろうとしているのだ。

 昨日、ウォーキングがてら馬事公苑に行く。8日~10日までJRAジャパンブリーディングホースショーが開催されているのだ。内国産乗用馬と引退競走馬だけが出場できる馬術大会で、今回が15回目だそうだが、馬事公苑が休苑していたので、ここを会場とするのは久しぶりということになる。昨年は兵庫県で開催されたらしい。

 3日間で11の競技が行われ、北海道から九州まで全国から選手と馬が参加。こういう時は苑内も馬が多く、賑やかである。

 周回走路には馬運車がずらりと並んでいる。

 30台以上ありそうだった。

 苑内には厩舎がA~Gまで7棟あり、それぞれに馬房が40ずつあるそうだ。つまり280頭の馬が収容できるが、ふだん馬事公苑に在籍している馬が現時点では50頭余りで、多くの厩舎が空いている(さらに道路を挟んだ向かい側の敷地にも厩舎があるらしい)。でも、今日はあちこちの馬房から馬が顔を出し、パカパカという蹄の音やいななきが聞こえたりする。東京オリンピックの時にはここに世界中の馬が集まっていたわけだ。

 さて、メインアリーナでの競技。馬事公苑がリニューアルされてから最初の大会ということで、馬術競技を初めて観る人のためにルール等に関する丁寧な解説がついた実況アナウンスがあり、わかりやすい。観客も多い。

 東京オリンピックで使用された障害。開催国の文化や風物を象徴するようなデザインが施され、面白い。でも、馬が怖がったりしないだろうか、と心配になったりもする。

 花札障害。

 こけし障害。

 だるま。

   

 馬はコースを知らず、目の前の障害を飛ぶことに一生懸命だが、ライダーは事前にコースを下見して、障害の間隔や高さもすべて頭に入れている。馬がジャンプする時、ライダーはすでに次の障害を見ている。

 こんな馬もいる。「牛みたい」という声が聞こえた。サラブレッドでは見ない毛色だ。乗っているのは出場選手中最年少の15歳、中学生だそうだ。


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 この大会は国内で生まれた乗馬用の馬と引退した競走馬だけが出場できるが、元競走馬の中には現役時代を覚えている馬もいた。G1レースにも出走したヨシオとかサトノアーサー。父ディープインパクト、母アパパネという両親が三冠馬の超良血ジナンボーもG1で走っていたが、期待されたほどの成績を残せず、馬術競技馬として再調教され、この大会に出ていた。ほかにも父キングカメハメハ、母が日米のオークスを制したシーザリオというこれも超良血のグローブシアターなど。

 一方、人間のほうは75歳の大ベテランから中学生、高校生まで老若男女が参加。1人が2頭でエントリーというケースもあった。 

 その後、インドアアリーナでも競技が行われる。ふだんは閉鎖されている場所。

 現在、下見中。障害の順番、高さ、障害の間を何歩で走らせるかなどをチェック。適切な場所で踏み切らせないと馬は障害をうまく飛び越えられない。

 この試合では障害の高さが最高115センチだが、日本記録は199センチを飛んだ馬がいるそうだ。

 すべての障害のバーを落下させることなく飛越して、なおかつ速いタイムでコースを走破することが求められる。バーを落とすと、そのたびに減点4。障害の前で止まったり、障害を回避したりするとやはり減点4。2回飛ばなかった時点で失権。

 競技開始の頃には客席はほぼ満席で、立ち見も出る盛況。

 シーザリオの子、グローブシアター。兄弟にはG1ホースが3頭いる(エピファネイアリオンディーズ、サートゥルナーリア)。馬術競技に出場する馬は牡馬の場合、ほとんど去勢されている。サラブレッドは誰よりも速く走ろうとする気質をもち、気性の激しい馬が多いのだ。

 競技終了後、この日の3競技の表彰式。女子選手が活躍。

 上↑の3位の人。キャップを脱ぐと髪の毛も一緒に脱げる。

 賞金は1位が10万円だったが、「飼育奨励金」という名目。馬のために使ってください、とのこと。ほかに副賞としてお米とかジャガイモとか。

 日曜日の試合は最高賞金100万円。

 表彰式が終わった頃にはもう閉苑時刻になっていた。ちょっと寒かった。