目青不動尊

 竹園山 教学院 最勝寺 (天台宗) 世田谷区太子堂4-15-1

 〈御詠歌〉 あらたなり うきよにくるしむ もろびとは たすけたまへる めあをふどうそん

 最初に訪れたのは自宅から最も近い教学院の目青不動尊。実は1週間前にも参拝し、それがきっかけで五色不動巡礼サイクリングを思い立ったのでした。
 世田谷区内で最も活気のある街のひとつ、三軒茶屋の街はずれにあり、すぐそばを東急世田谷線の電車が通りますが、そのわりには静かな雰囲気のお寺です。
 教学院の創建は1311年、初めは後に江戸城内となる紅葉山の位置にあったそうですが、江戸城築城により、麹町に移され、その後も赤坂、青山と移転し、現在地には明治の末に移ってきたそうです。なお、目青不動尊は元は麻布の観行寺に祀られていたのが、このお寺が廃寺となった際に教学院に奉安されたということです。

 住宅街の中の細い参道から境内に入ると、右手に不動堂があります。訪れる人は正面にある本堂(本尊は阿弥陀如来)ではなく、不動堂へばかりお参りするようです。それほど、ここのお不動さまは信仰を集めているということなのでしょう。賑わっているわけではないですが、次から次へと人が参拝に訪れています。年配の人だけでなく、若い女性も手を合わせていたのは、縁結びのご利益があると言われるせいでしょうか。
 軒先で猫が日向ぼっこをしている不動堂へお参りすると、目青不動明王像は厨子の中に安置されていますが、お前立ちの不動明王像(1642年作、青銅製)はいつでも拝観できます。脇侍は閻魔大王像と奪衣婆像です。不動堂に「閻王殿」の扁額がかかっているのはそのためでしょう。
 関東三十六不動の第16番札所となっています。

 教学院をあとに三軒茶屋の街を抜け、次に勘を頼りに目黒不動尊に向かいます。さほど遠くはないですが、ちょっと道に迷いました。