蝉時雨

 セミの声もいよいよ本格的に賑やかになり、今日は初めてツクツクボウシの声も聞いた。
 蝉時雨もほとんど土砂降りのような降り方だ。



 それでも東京の場合、クマゼミがいない分だけ少しマシかもしれない。アブラゼミやミンミンゼミにあの声まで加わったら本当に暑苦しいからね。でも、南九州を旅行した時、朝のうちはクマゼミが賑やかだったのに、昼間はアブラやミンミンばかりで、クマの声はほとんど聞かなかったという記憶がある。そういうものなのだろうか。

 ところで、最近はセミ捕りをしている子どもってあまり見かけない。僕の子どもの頃は毎日、近所の子たちと一緒にセミを捕りまくっていたものだ。で、虫とり網がすぐに破れてしまって、母に手ぬぐいで縫ってもらっていた、なんていうのも懐かしい思い出。子どもの特権で「セミ、捕らせてくださーい」と一声かければ、よその家の庭にも勝手に門を開けてズカズカと入っていけた時代でもあった。
 虫カゴにいっぱいになったセミたちはそのまま翌朝には死んでいて…なんてことを連日繰り返していたのだから、セミたちには本当に申し訳ないことをした。おかげで、それから数年は自宅周辺でセミが激減して、母に「あんたたちのせいだわ」と言われたものだった。

(おまけ)少し涼しげな水の風景。




井の頭公園にて)