世田谷ボロ市


 今年もボロ市の季節がやってきた。毎年12月15・16日と年明けの1月15・16日に開かれ、今回は週末に重なった。小田原の北条氏が関東一円を支配していた戦国時代の楽市が発祥で、今年で435年目になるらしい。ちなみにボロ市が開かれるボロ市通りはかつて江戸と大山・小田原方面を結んでいた矢倉沢往還大山街道)の宿場が置かれた場所である。
 寒い中、昔の街道である六郷田無道を歩いて行ってみたが、途中から雨が降り出す。ボロ市で雨が降った記憶はあまりない。それでも、地元の小学生や中学生のブラスバンドのパレードや世田谷代官の行列などが、混雑する中をかき分けるように通っていく。ブラスバンドは見ていて楽しい気分になる前に、生徒たちも楽器も雨に濡れて、気の毒、という言葉が先に浮かんでしまう。



(肝心のお代官様の写真を撮り損ねた。代官役は実際に江戸時代、世田谷代官を世襲した大場家の現当主らしい)


 あいにくの雨で、人出はいつもより少なめだが、みんな傘をさしているので、歩きにくい。骨董や古道具、古着、陶器、植木市など昔ながらの露店のほか、甘酒、饅頭、団子、焼きそば、お好み焼きなどの屋台も並び、それなりに心惹かれるものはいろいろあったが、雨のせいで、イマイチ気分が盛り上がらず、結局、何も買わずに代官屋敷の敷地内にある郷土資料館でちょっとした調べ物をしただけで、また歩いて帰ってきた。