茨城県の取手と下館を結ぶ関東鉄道常総線に乗りに行ってきた。
このローカル線の出来るだけ何もなさそうな駅に降りて、ぶらぶらしてみようという趣旨。
途中、常磐線の我孫子駅ホームの立ち食いそば「弥生軒」で360円の唐揚げそばを食べる。唐揚げ1個と2個の2種類あって、とりあえず1個にする。小さな唐揚げが1個のっているのかと思いきや、超特大唐揚げだった。2個ならソバが完全に隠れるサイズ。唐揚げそばというメニュー自体初めて見たが、かなり気に入った。ちなみに昔、ここで山下清がバイトしていたそうだ。
さて、取手駅で一日フリー切符を購入。1,500円だが、全区間の片道運賃が1,460円なので、かなりお得な切符ではある。
で、まずは「水海道乗り換え下館行き」2両編成のディーゼルカーに乗車。とりあえず終点まで行ってみるつもり。
常総線は非電化の私鉄だが、取手から水海道までは複線化されていて、列車本数も意外に多い。
台地の間に縄文時代には海だった低湿地が入り組む起伏の多い地形で、線路は切通しになったり、築堤や高架になったり、平地を走ったり…。
雑木林や畑、田圃の中に住宅地が造成され、田園から都市へと変化しつつある眺めが続く。
東日本大震災の翌日に、祝賀行事もすべて中止されたなか、開業した、ゆめみ野駅。
つくばエクスプレスとの接続駅、守谷を過ぎ、新旧の車両が並ぶ車両基地を右に見て、水海道に到着。
ここで隣のホームで待っている1両編成に乗り換え。この先は単線で、乗客も少なくなるので、ワンマン運転対応の車両になるわけだ。 常総線からは筑波山が見えるはずだが、今日はなぜか東の空が霞んでいて見えない。
石下付近で謎のお城。
ようやくうすぼんやりと筑波山が見えてきて、広々とした田園風景の中をのどかに走り、下館駅に到着。
その列車でまた折り返して、2つ目の黒子駅で下車。何もなさそうな駅。
列車は1時間に2本はあるので、30分ぐらいのつもりで、あてもなく散策。
お寺があったので、訪ねてみたら、慈覚大師円仁が創建との伝承をもつ古刹だった。天台宗の東睿山金剛寿院千妙寺。西の比叡山延暦寺に対して東の仏教教化の霊地として繁栄したとの伝承をもつそうだ。本当だったら、相当スゴイ。
平将門の乱で焼失し、南北朝時代に現在地に再建されたという。天台宗三昧流を伝える伝法灌頂道場として、最盛期の末寺・門徒寺は7カ国に六百余りを数えたといい、灌頂の儀式は延暦寺と当寺にだけ伝わる貴重な宗教行事だそうだ。
いつの間にかくっきりと姿を現した筑波山を拝み、台地斜面から水が湧きだす駒ヶ滝不動尊にもお参りして駅に戻ると、乗るつもりだった列車が動き出したところだった。
昔ながらの関東鉄道スタイルの駅名標。取手から44キロ。
なんとなく不穏な雲が出てきた。
両方向からほぼ同時に列車がやってきた。
さらに南へ下り、今度は宗道駅で下車。
筑波山の見える駅。
ここから次の玉村駅まで歩く。
シンプルな踏切。
シンプルすぎる踏切。
1両だけのディーゼルカーが行く。
西日が差してきた。
玉村駅。常総線でも最小規模の駅。
遠くに見える「豊田城」。実は地域交流センターらしい。中世に豊田城という城郭がこの地方に存在したそうだが、もちろんこんな天守閣などあったはずがない。
下館行き。
水海道乗り換え取手行きがやってきた。
日没直後の車窓。
帰りは取手まで行かず、守谷で下車。
つくばエクスプレスに乗り換えようとしたら、富士山が見えた。