多摩動物公園で事故(追記あり)

 昨日、多摩動物公園に出かけて、いろいろな動物の写真を撮ってきた。なので、今日はその中からネタを選ぼうと思っていたのだが、その多摩動物公園で今日、残念過ぎる事故が起きてしまった。

 インドサイの飼育施設で50代の男性飼育員が殉職したのだ。

 共同通信の配信記事。

「25日午前10時50分ごろ、多摩動物公園(東京都日野市)のインドサイを飼育する施設内で、50代の男性職員が倒れているのを上司が見つけ、119番した。警視庁日野署によると、男性は左脇腹にけががあり、搬送先の病院で死亡が確認された。同署はサイに襲われた可能性もあるとみて詳しい状況を調べている。

 園によると、男性が担当する動物が開園時間を過ぎても展示スペースに出てこないため上司が確認しに行くと、サイの施設内の作業部屋で倒れていた。男性は朝から1人で掃除などをしていた」

 

 午前10時50分ごろということはもう開園している時刻であり、園内には大勢のお客さんがいたはず。サイ舎の周辺にも人はいただろう。園内無料シャトルバスのインドサイ前停留所は人気のコアラ館の最寄でもあるのだ。

 僕は昨日の多摩動物公園で夕方、インドサイを屋内に収容した後、運動場のプールの水を抜き、清掃している男性職員の姿を横目に見ながら帰ってきたのだ。亡くなったのがその方なのかどうかは不明。

 多摩では原則として、インドサイと飼育員が同じ空間に入ることはないはずだが、サイの皮膚に塗る薬が落ちていたというから、あるいは治療のためにサイのいる場所に入っていたのかもしれない。

 サイが危険な動物であることは飼育員なら当然知っていることであるし、人命は尊いという観念も動物たちには通用しない、人間だけの思い込みである。だから、このような事故が起きても、サイに責任はない。100%人間の責任で事故を防がねばならなかったわけだが、ベテランゆえのちょっとした油断があったのだろうか。事故の詳細は全く不明なので、何とも言えないが、とにかく残念としか言いようがない。

 亡くなられた職員の方のご冥福をお祈りいたします。そして、このような悲しい事故が二度と起こらないようにしてほしい。

 

 なお、多摩動物公園では本日が夏の夜間開園「サマーナイト」の最終日だったが、急遽中止となり、15時で臨時休園となった。

 

(追記)毎日新聞の配信記事によると、事故を起こしたのは雄の「ビクラム」であるらしい。

「25日午前10時50分ごろ、多摩動物公園(東京都日野市)のインドサイの飼育部屋内のおりの外側で、飼育員の浅見準一さん(54)があおむけに倒れているのを同僚が見つけ、119番した。警視庁日野署によると、浅見さんは心肺停止の状態で病院に搬送され、死亡が確認された。左脇腹にあざがあり、サイに襲われた可能性があるとみて調べている。 
 同署などによると、サイは推定18歳の雄の「ビクラム」で体高約2メートル、体長約4メートル。足の皮膚病の治療中で、浅見さんの近くには皮膚に塗る薬が落ちていたという。
 事故を受け、同園は25日を臨時休業とした。同日夜に記者会見を開き、浅見さんは飼育担当歴約25年のベテランで昨年4月からビクラムの担当になったとし、動物に薬を塗る場合は通常、おりの外側から食べ物を与えて気をそらすと説明した。おりは施錠してあったが、格子の間隔は約30センチあるという。園を管理する東京動物園協会事故調査委員会を設置し、事故原因の究明を進める」

 

 ビクラムは性格的にも穏やかな草食系男子のイメージがあったが、 そうはいっても、あれだけの巨体だから、人間に危害を加えるつもりはなくても、ちょっとしたことで今回のような悲劇が起きてしまったのだろう。

 

 「ビクラム」♂。

f:id:peepooblue:20190826060008j:plain

f:id:peepooblue:20190826060024j:plain

f:id:peepooblue:20190826060123j:plain

 「ナラヤニ」♀とインドガン

f:id:peepooblue:20190826060236j:plain

 事故前日の夕方にこのプールを掃除している飼育員さんの後ろ姿を見たのだった。

f:id:peepooblue:20190826060307j:plain