第163回天皇賞(春)

 古馬の長距離王決定戦、春の天皇賞京都競馬場改修工事中のため、今年は阪神競馬場の芝3200メートルで行われ、17頭が参戦した。近年は強い牝馬が次々と現れ、G1レースでも牝馬が牡馬を破ることが全く珍しくなくなったが、牝馬にとって最後の壁といえるのが、G1で最長距離の春の天皇賞牝馬が勝ったのは1953年のレダによる1勝のみだが、今年も3頭の牝馬が68年ぶりの快挙をめざした。

 1番人気は前哨戦の阪神大賞典を圧勝したディープボンド。2番人気は昨年の菊花賞2着馬アリストテレス。3番人気は一昨年の菊花賞馬ワールドプレミアと、長距離で実績のある馬が上位人気となった。牝馬ではカレンブーケドールが4番人気。

 レースは7番人気のディアスティマが先頭で引っ張り、長距離戦としては速い流れとなり、ディープボンドやカレンブーケドールらが先団を形成。アリストテレスが先団を見る位置でぽつんと進み、その後ろにワールドプレミア。

 そして、2周目の4コーナーを回って直線に入ると、先頭で粘るディアスティマにカレンブーケドールが並びかけ、先頭に立つが、後方から有力牡馬が追い込んできて、ワールドプレミアが先頭でゴールイン。2着にディープボンド。G1初制覇をめざした善戦ガール、カレンブーケドールは3着。最後の600メートルに37秒4も要するスタミナ勝負の消耗戦となり、やはり長い距離で実績のある馬が上位を占め、今年も牝馬の勝利はならなかった。それでも5着までに牝馬が2頭入ったのは健闘というべきだろう。

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 ワールドプレミアはディープインパクト産駒の牡5歳。これが一昨年の菊花賞以来の勝利で、通算11戦4勝。G1は2勝目。

 

1着ワールドプレミア(福永) 2着ディープボンド 3着カレンブーケドール

4着アリストテレス 5着ウインマリリン