Acoustic Asturias Live

 新生Acoustic Asturiasのライヴ第2弾が昨日(3月25日)、南青山MANDALAで行われた。

 前回はメンバー2人が体調不良で欠席。急遽、代役2名を加えてなんとか開催に漕ぎつけたが、その後、チェロのヌビアさんに代わって出演した佐野まゆみさんが正式メンバーとなり、ピアニストの北川とわさんはまだ完調ではないということで、前回に引き続き関口太偲さんがピアノ。

 17時45分開場、18時30分開演。前日の夏日から一転、冷たい雨が降り、最高気温が前日より10℃以上も低い一日だったが、会場には満員の観客が詰めかけた。

 メンバーは大山曜(gut guitar)、星野沙織(violin)、佐野まゆみ(cello)、関口太偲(piano)。

 1曲目はピアノのイントロですぐに分かる雄大な曲想をもった「WATARIDORI」からスタート。旧編成時代からのおなじみのレパートリーだが、チェロ入りではこれが初めて。

 続いて、前回のアンコール曲だった「神の摂理に挑む者たち」。この曲もクラリネットのパートがチェロに変わり、アレンジも大きく変わっている。


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 ギター、ヴァイオリン、チェロ、ピアノというロックバンドとは程遠い編成ながら、自分たちのやりたいことをやりたい放題にやる、という意味でアコアスはロックなのだ。

 主宰者である大山氏以外はクラシック畑のメンバーばかりだが、クラシック方面の人たちにはどんな風に受け止められるのだろう。恐らく会場には従来のファンだけでなく、新メンバーが連れてきた新しい客層も加わっているはずである。

 いかにも演奏するのが大変そうな変拍子だらけの複雑な曲があるかと思えば、ひたすら美しい穏やかな曲もある。1曲だけ、北川とわさん作曲の「Snowy Landscape」が演奏されたが、ちょっと吉松隆の作品を思い出した。    


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 1時間ほどで前半終了。15分の休憩。

 後半では「リコシェ」という新曲が披露される。リコシェには弾むというような意味があるそうだが、バイオリンにもリコシェ奏法というのがあり、この曲の中でも星野さんのリコシェ奏法が炸裂する。弦の弾力を生かして弓を弾ませるようにして弾く演奏方法のようだ。リコシェ奏法という言葉も初めて知ったが、実際にそのような弾き方をするのも初めて聴いた気がする。この曲はスリリングでかっこよかった。

 また、エリック・クラプトンがいたバンド、Creamの「White Room」のカバーも久しぶりに演奏された。ヴァイオリンが伊藤恭子さんだった時代以来ではないだろうか。


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 本編最後はElectric Asturiasのレパートリー「時を支配する人々」。

 アンコールは関口氏の華麗なピアノソロで始まる、これもエレアスの「Lancer」だった。この後、大山氏の急な思いつきなのか、もう1曲。といっても、やれる曲はすべてやってしまったということで、前半にやった「Heliocentrism」をもう一度。16分の9拍子で始まる大変な曲。

 まだまだこの編成でやってほしい曲はいろいろあって、ずっと聴いていたくなるが、今日のコンサートはこれで終了。

 会場に置かれていたセットリスト。予定外の16曲目に「4再び」と書き足してある。

 外に出ると、夕方には止んでいた雨がまたポツポツと降り出していた。

(夜の青山通り