ドバイWCデー&高松宮記念

 中央競馬では高松宮記念で春のG1戦線がいよいよ始まるが、それより前に25日、アラブ首長国連邦のドバイで四つのG1レースなどが実施されるドバイワールドカップデーが開催され、高額賞金を狙って日本からも有力馬が27頭も遠征(ドウデュースは出走取消)。先月のダートG1フェブラリーSも世界最高賞金のサウジカップ(日本のパンサラッサが逃げ切り勝ちで、1着賞金1,000万ドル=約13億円を獲得)と時期が重なり、出走メンバーが手薄になったが、この季節は海外に賞金の面で魅力的なレースがあるため、日本競馬の空洞化が起きているようだ。

 とにかく、今年の高松宮記念もG1としてはやや寂しいメンバー構成に感じられた。  まずは先にドバイ・メイダン競馬場で行われたドバイワールドカップデー。

 第2レースではダート1,600メートルのG2、ゴドルフィンマイルが行われ、日本馬は3頭が出走したが、このレース連覇を狙ったバスラットレオンの4着が最高。

 第5レースのUAEダービー(G2,ダート1900m)には日本から5頭が出走し、デルマソトガケが圧勝。2着ドゥラエレーデ、3着コンティノアール、4着ペリエールと日本馬が上位を独占。

 第6レースからはG1が続き、まずはゴールデンシャヒーン(ダート1200m)に日本馬4頭が出走するも、最先着はリメイクの5着。優勝は米国馬シベリウス

 第7レースはドバイターフ(芝1800m)には3頭が出走。ダノンベルーガの2着が最高。優勝は英国馬ロードノース。

 第8レースはドバイシーマクラシック(芝2410m)。日本からは昨年の年度代表馬イクイノックスに、昨年のこのレースを勝ったシャフリヤール、さらにウインマリリンが出走。イクイノックス(ルメール)はスタートから先頭に立つと、そのまま逃げ、最後の直線で後続をぐんぐん突き放す圧勝。楽勝。ものすごく強い勝ち方で、1着賞金348万米ドルを獲得。


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 そして、第9レースがメインの第27回ドバイワールドカップ(ダート2000m)。1着賞金696万米ドル。出走15頭中、日本馬が過去最多の8頭という陣容。注目は先月のサウジカップを勝ったパンサラッサ。もし勝てば、先月13億円余りを稼いだ上に今度は9億円以上の賞金を得ることになる。

 そのパンサラッサ(吉田豊)は最外の15番枠からスタートし、いつものように先頭に立とうとするが、最内1番からスタートした地元のリモースが譲らず、両馬が並ぶように先行。序盤に脚を使ったせいか、パンサラッサは4コーナーで失速し、馬群に沈む。最後の直線では英国馬アルジールスが先頭に立つが、道中は最後方にいた日本のウシュバテソーロ(川田)が外から猛然と追い込んできて一気に先頭に立ち、快勝。芝で実績の上がらなかった6歳の遅咲きがダート転向で素質を開花させ、5連勝で世界の頂点まで上り詰めた。オルフェーヴル産駒というのが嬉しい。

 その他の日本馬ではテーオーケインズが4着、クラウンプライドが5着に入る。パンサラッサは10着。


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 ということで、昨夜から今日未明にかけてドバイで日本馬が3勝をあげる活躍を見せた後、中京競馬場で春のスプリントG1、高松宮記念(芝1200m)が行われ、18頭が参戦。1番人気はメイケイエール、2番人気はナムラクレアと牝馬2頭が上位人気を占め、3番人気はアグリ。小雨の不良馬場という条件がどう影響するか。

 キルロードが先行したレースは最後、激戦となったが、12番人気のファストフォースが抜け出し、ナムラクレアの追い上げを抑え、先頭でゴールイン。前哨戦のシルクロードS2着からG1初制覇。勝ちタイムは1分11秒5。1番人気メイケイエールは道中折り合いを欠いて、12着に敗れる。


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 ファストフォースはロードカナロア産駒の牡7歳。デビューから6戦して勝てず、地方競馬に転出。北海道で4戦3勝の実績を残し、再びJRAに戻ってきて、2連勝。5戦目にはCBC賞で重賞初制覇。G1挑戦は4度目でついに頂点に立った。地方の4戦3勝を含め、通算29戦7勝。重賞2勝目。鞍上・団野大成騎手はG1初勝利。

 

1着ファストフォース(団野) 2着ナムラクレア 3着トゥラヴェスーラ

4着ナランフレグ 5着グレナディアガーズ