高尾山で夏鳥ウォッチング

 そろそろ夏鳥の季節ということで、高尾山まで行ってきた。

 今回は1号路を登る。当然ながら人が多いが、しばらく登ると、頭上からオオルリの声が聞こえてきた。真上だ。高くそびえる杉の木にいるらしい。首が痛くなるぐらい上を向いて探すと、それらしい姿が・・・。カメラでズームアップ。下から見上げたので、白いお腹しか見えないが、オオルリ。ブレブレだ。

 とりあえず幸先がよい。さらに高い位置まで登って、先ほどの木を横から見る地点で改めて探したが、もうオオルリの姿はなく、声も聞こえなかった。

 歩いていると、クロツグミらしき声も聞こえてきた。ウグイスやメジロもたくさんいる。

 シシシシシシシシ・・・と虫のような声で鳴くヤブサメの声も聞こえた。ヤブサメはウグイスの仲間だが、鳥類図鑑で、その鳴き声が高齢者には聞こえないと断定的に書いてあるのを見た記憶がある。なので、とりあえず現段階ではハッキリと聞こえてホッとする。キビタキの声も聞こえてきた。ヒガラの声もするし、アオゲラの声とドラミングも聞こえる。あとはシジュウカラヤマガラヒヨドリキジバトなど。

 多くの人で賑わう薬王院を過ぎて、3号路を行く。この道はキビタキが多い印象があり、実際に声が聞こえるが、それよりも人間の声が騒がしい。キビタキの姿は見つけられなかった。

 その代わり、斜面の下で何かガサガサと動くものがいる。ちらっとしか姿が見えなかったが、体形と毛色から判断するとアナグマのように見えた。ただ、確証はない。

 山頂はものすごい混雑なので、山頂を取り巻く5号路をちょっとだけ歩くと、近くでキビタキがさえずっている。

 いた!

 とてもよい声でさえずっているが、登山客はみんなおしゃべりに夢中で、鳥などに注意を向ける人はほとんどいないので、細い山道で次々と通る人たちの邪魔にならないように気を遣いながら、カメラを真上に向ける。

 少し高い位置から。見え方としては完璧。でも、写真としては・・・。

 少しずつ場所を変えながらも、ほぼ一定の範囲内でさえずっているので、キリがない。

 ようやく一人、「何がいるんですか?」と聞いてきた人がいたので、「キビタキです」と教えてあげると、「あ、キビタキですか」と関心を示して一緒に見上げる。

「あ、飛んじゃいましたね」

 キビタキの声がちょっと遠くなった。またすぐに戻ってくると思うが、僕はそこで切り上げる。

 帰りは北斜面の4号路。相変わらずキビタキアオゲラ、ヒガラ、ヤブサメ、ウグイス、メジロクロツグミなど。それにセンダイムシクイもいる。ただ、もう姿は見つけられなかった。オオルリも遠くで声が聞こえるだけ。

 吊り橋の手前でシマヘビ1匹。足を止めて見ていると、僕を追い抜いていった男性の前を横切り、男性が「うわっ、ヘビ」と声を上げ、急ブレーキ。

 その後、1号路でジムグリも見た。

 じっくりと山歩きを楽しむという感じではなく、ざっと一周して帰ってきた。

 

 さて、連日書いている世界ミックスダブルスカーリング選手権。日本代表のチャッスーこと松村千秋・谷田康真ペアが日本勢として史上初の決勝進出。こちらも初優勝を狙うアメリカのティーシ―/ドロプキン組と対戦した。アメリカは予選ラウンド2戦目で日本に接戦の末に負けた後は日本同様に勝ち続け、なぜか最終戦でスペインに負けたものの、ショットの精度が高く、手強い相手。

 1エンド。後攻の日本は松村がラストストーンを投じる前の段階でハウスの中心付近に日米の石が1個ずつ。目視ではどちらがNo.1か分からないが、なんとなく日本のようにも見えた。そこへ松村が絶妙なショットを決めて、これもハウスの中心付近へ石を送り込む。ただ、3つのうちどれがNo.1か分からず、いきなり計測へ。日本が2点か、1点か。それともアメリカが1点か。計測の結果はなんとアメリカがNo.1だった。日本は松村が最高のショットを決めながら、結局、相手に1点を奪われてしまった。なんとなく、これで試合全体の流れがアメリカ側に行ってしまったのか、アメリカは素晴らしいショットを次々と決め、日本がチャンスを作っても、潰されてしまう苦しい展開に。2エンドもアメリカが2点スチールで0-3。3エンドに日本は1点のみで、4エンドにはアメリカが2点。これで1-5。ブレイク明けの5エンドに日本は大量点を狙ってパワープレイを選択するが、ここでも得点を阻まれて1点スチールされ、6エンドもようやく1点で2-6。7エンドにはアメリカがパワープレイ。日本としては複数得点のスチールしかなかったが、アメリカに2点が入り、2-8。ここで日本が負けを認めるコンシード。日本としては悔しい負けではあったが、今日は相手の調子が良すぎた。決勝という舞台であれだけのベストパフォーマンスを見せられるというのはスゴイというべきだろう。

 アメリカが初の金メダル。負けた日本がMDでは初の銀メダル。同時に谷田は日本の男子カーリング選手としてオリンピック、世界選手権を通じて初のメダル獲得となった。銅メダルは3位決定戦でカナダを破ったノルウェー。結局、B組から勝ち上がったチームがメダルを独占することになった。

 表彰式では小笠原歩コーチもメダルを首にかけてもらったが、彼女は女子ジュニアのコーチとして昨年の世界選手権で金メダル、今年は銀メダルを獲得している。

 とにかく、4人制ではなくMDにすべてを注ぎ込んできた松村、谷田両選手がメダルを手に出来たのは本当に良かった。今大会、この一週間を振り返ると、まさに快進撃ではあったが、楽勝といえるのはほんの数試合で、最後に松村のショット一発で勝負が決まった、けっこうギリギリの試合も多く、ひとつ間違えば予選敗退もありうる実に険しい道のりだった。本当によくぞ決勝まで勝ち残ったと思う。僕はただテレビやネットを通じて応援していただけだが、マイナーな競技であるだけに選手もファンも含めてよい雰囲気のコミュニティが出来上がっていて、実に楽しい大会だった。カーリングというスポーツは観戦する側もあれこれ考えながら観るわけだが、時々刻々と変化する状況に応じて作戦を決め、ショットの強さや曲り具合、氷の状態などを瞬時に判断して、スイープしたり、やめたり、途中で作戦を切り替えたり・・・。カーリング選手の頭脳というのはすごいな、と思う。MDの場合はすべてを二人だけでやるのだから、本当に大変だ。日本はこれが11試合目、アメリカは12試合目で、どちらもスイープは男性がひとりで担当するスタイルなので、相当な疲労が蓄積しているはず。体力勝負でもあった。

 とにかく、これで2022-23シーズンはほぼ終了。あとロコ・ソラーレが出場するグランドスラムがあるのか。

 それから韓国・江陵の別会場では男女のシニア(50歳以上)の世界選手権が行われており、日本女子が銅メダルを獲得した。男子チームには松村選手の父、保さんがスキップとして出場し、SC軽井沢クラブの山本遵選手のお父さんも出ていたが、残念ながらあと1勝足りず予選敗退。