韓国・江陵で行われている世界ミックスダブルスカーリング選手権。日本代表の松村千秋・谷田康真組(愛称チャッスー)は予選をB組1位で通過して日本勢として初めて準決勝に駒を進めた。この種目、日本勢として過去最高成績は2018年、19年の藤澤五月・山口剛史ペアの5位だったが、チャッスーはそれを上回る4位以上が確定。あと1勝でメダル獲得というところまできた。ただ、どこと当たるにしても、強豪ばかり。簡単に勝てる相手はひとつもない。
今日は午前中にプレーオフが行われ、A組2位のエストニアとB組3位のノルウェー、B組2位のアメリカとA組3位のスコットランドがそれぞれ準決勝進出をかけて対戦。
どちらもB組のノルウェーとアメリカが勝利して準決勝進出。日本の相手はノルウェー。
そして、18時から始まった準決勝。日本対ノルウェーは緊迫した接戦となった。予選上位の日本が有利な後攻で始まったが、複数得点はならず1エンドはまず1点。2エンドは後攻のノルウェーも1点。その後も両チームとも相手に複数得点を許さず、1点ずつを交互に取り合う展開。前半4エンドを終えて2-2の同点。ブレイク明けの5エンド、後攻でそろそろ複数点を取りたい日本だったが、ノルウェーにうまく阻まれ、また1点。3-2。
6エンド、後攻のノルウェーがパワープレイを選択。予め複数得点しやすい石の配置から始め、3得点の可能性まで見えたが、最終投で弾き出そうとした日本の石がノルウェーの石に当たってハウス内に残り、2点止まり。日本としては命拾いだったが、両チームを通じて初めての複数得点で4-3とノルウェーが逆転。
7エンドは日本がパワープレイを選択し、大量点を狙うが、うまく行かず1点止まり。4-4の同点には追いついたが、最終8エンドを不利な先攻で迎えることになった。
その8エンド。1試合に1回だけ認められるタイムアウトをお互いに取りながら、緊迫したせめぎ合いが続くが、日本にとっては厳しい石の配置。しかし、谷田が日本にも得点の可能性を開くナイスショットを決め、松村の最終投にすべてを託すと、ここで松村が起死回生のスーパーショットで相手のNo.1を弾き出す。そして、後攻ノルウェーのラストショット。日本に奪われたNo.1を取り返すべく投じたドローがハウスの中心に入ってきたが、どちらがNo.1かは微妙。わずかに日本に見えたが、計測に。そして、計測の結果、日本の石の方がわずかに中心に近くNo.1。日本が1点スチールで、あまりに劇的な勝利。この瞬間、日本の決勝進出と銀メダル以上が確定した。勝利の瞬間、松村は涙。小笠原歩コーチも涙。この試合は録画していたので、永久保存版だ。
準決勝のもう1試合はプレーオフを勝ち上がったアメリカがA組予選1位のカナダと対戦し、前半はやはり1点ずつを取り合う接戦だったが、後半にアメリカが連続スチールで点差を広げ、6-2で勝利。決勝へ。
NHKは明日14時からの決勝戦を16時から録画放送の予定だったが、急遽生中継に変更。まさか日本が決勝に進出するとは思っていなかったということか。
日米決戦。予選では日本が勝っているが、どうなるだろう。中部電力で4人制は後輩たちに任せてMDに専念してきた松村と、コンサドーレを退団してやはりMDにすべてを注いだ谷田。なんとか金メダルを手にしてほしい。
(きょうの1曲)Bill Evans Trio / I wish I Knew