引退競走馬のクロスカントリー

 16日にボロ市へ行く前に馬事公苑に寄って、馬のクロスカントリー競技を観た。

 15日~17日にRRCファイナルという大会が開催されいたのだ。RRCはRetired Racehorse Cupの略で、引退した競走馬のセカンドキャリアの可能性を広げる目的で開催され、全国各地の予選を勝ち抜いた馬たちが出場できる大会がRRCファイナルである。種目は総合馬術馬場馬術障害馬術の三つ。総合馬術は3日間で馬場、クロスカントリー、障害の3競技を行い、総合点を競う。このうち、馬場馬術というのは、馬が枠で囲まれた馬場の中で決められたコースを指定された歩様で図形を描くように動き、いかに人の指示通りに動くか、人がいかに馬をコントロールするか、そして馬が自分の意志で動いているように見えるか、その正確さ、美しさを競うもので、かなり地味な競技である。以前、フィギュアスケートでフリーの前日に今のショートプログラムではなく「規定」という種目があったが、印象としてはあれに近い。

 今回の大会では2018年の有馬記念を勝ったブラストワンピースがその馬場馬術に出場するというのが話題になっていた。ここに出てくるということはG1を勝ったのに種牡馬になれなかったということを意味するが、種馬になることがその馬の幸せなのかどうかは分からない。この競技は馬にもキャリアを積むことが求められるので、まだ経験の浅いブラストワンピースがファイナルまで進出したこと自体がすごいことのようだ。日曜日の午前中に行われた競技は見逃してしまったのだが、大勢のファンが詰めかけ、結果は11位だったそうだ。

 さて、僕が土曜日に観たのは総合馬術の2種目目、クロスカントリーである。馬事公苑内のいつもは子どもたちが遊んでいる芝生の広場や散策を楽しめる自然林にコースを設定し、15の障害を順番にクリアして、タイムを競う。アリーナでの馬術競技は何度も観たことがあるが、クロスカントリーはあまり観たことがないので、ぜひ観てみたかったのだ。

 当然、関係者以外はコース内に立ち入れないので、遠巻きに観ることになるし、馬が自然林の中のコースに入ってしまうと姿が見えなくなってしまうのだが、それでも起伏のある草地を馬が走り、池を突っ切っていく光景は観ていて楽しい。

 周回走路からスタートして、第一障害をクリア。その後、芝生のエリアに入って行く。

 障害競技に比べると各障害の難度は低そうなので、これはコースのチェックポイントのような意味合いが強いのだろう。走路が決まっているわけではなく、15のポイントを順番にすべて通過してゴールするまでのタイムを競うわけだ。

 水濠(池)を突っ切る。

 林の中を走り抜けた馬は急坂を登って下って林から出てくる。そして、15番目の障害を飛越してゴール。大体3分半前後で走破している。


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 馬たちが気分よく走っているのであればいいな、と思う。

  ふだんは子どもたちの遊び場となるクロスカントリーコース。芝生の斜面を滑るのに段ボールやソリを持ってくる子が多い。